育児短時間勤務を利用している社員や、異動によって担当業務が変わった社員について、「仕事量が少ないのではないか」「周囲との負担差が大きいのではないか」と感じる職場もあります。しかし、社員本人だけに問題があるとは限らず、配置や業務設計を行う会社側にも一定の役割があります。この記事では、育児時短勤務者を含めた社員の働き方と、会社が果たすべき責任について解説します。
社員の働き方は本人だけでなく会社の環境にも左右される
職場で仕事量の差が生じると、「本人が努力していないのではないか」と考えてしまうことがあります。しかし、実際には本人の能力や意欲だけではなく、会社がどのような仕事を割り振るか、どのような役割を設定するかによって状況は大きく変わります。
特に異動したばかりの社員の場合、以前の担当業務と現在の部署の業務内容が合わず、すぐに十分な仕事を任せられないケースもあります。その場合、本人だけを責めるのではなく、会社側が業務内容を整理する必要があります。
例えば、育児時短勤務で勤務時間が限られている社員に対しては、限られた時間でも成果を出せる業務を設計することが重要です。単純に仕事を減らすだけでは、本人の成長機会や職場への貢献意識を失わせる可能性があります。
会社には社員を雇用する以上、適切に配置する責任がある
会社は社員との雇用契約に基づき、労働の場を提供しています。そのため、社員を採用・配置した後に「任せる仕事がない」という状態になった場合、会社側にも改善する責任があります。
もちろん、事業状況や組織変更によって一時的に仕事量が少なくなることはあります。しかし、長期間にわたって社員をほとんど業務に関与させない状態が続けば、本人の能力発揮を妨げるだけでなく、職場全体の不満につながります。
例えば、異動してきた社員に対して、これまで担当していなかった業務の研修を行ったり、部署内の改善活動や資料作成などの役割を設定したりすることで、会社として活躍できる場を作ることができます。
育児時短勤務や在宅勤務は法律上認められた制度
育児を理由とした短時間勤務や在宅勤務は、一定の条件のもとで法律によって認められている制度です。そのため、「早く帰る」「在宅勤務をする」という事実だけを理由に、不公平だと判断することは適切ではありません。
育児や介護など家庭事情を抱えながら働く社員がいることは、現在の多くの職場で一般的になっています。会社には、制度を利用する社員と利用しない社員の双方が納得できるような働き方を考える役割があります。
一方で、制度利用者であっても、勤務時間内は担当業務を責任を持って行うことが求められます。制度の利用と仕事への責任は別の問題として考える必要があります。
周囲から不満が出る場合に必要なのは個人攻撃ではなく業務改善
同じ職場で働く人から「なぜあの人だけ負担が少ないのか」と不満が出ることは珍しくありません。しかし、その原因が社員本人にあるとは限りません。
仕事の配分が偏っている場合、本来は管理職が業務量を確認し、適切な役割分担を行う必要があります。社員同士で不満をぶつけ合うだけでは、職場の雰囲気が悪化する可能性があります。
例えば、ある社員だけ簡単な仕事しか担当していない場合でも、本人が希望しているのではなく、周囲が仕事を任せていないケースもあります。その場合は、本人との面談を行い、できる仕事や希望する役割を確認することが重要です。
管理職に求められる対応とは
管理職には、社員それぞれの事情を理解しながら、組織として成果が出るように仕事を調整する役割があります。
育児時短勤務者の場合は、勤務時間内で完結できる業務を明確にしたり、チーム内で情報共有を行ったりすることで、周囲の負担感を減らすことができます。
また、本人に対しても「勤務時間が短いから簡単な仕事だけ」という扱いではなく、能力や経験に応じた適切な仕事を任せることが、本人のモチベーション維持につながります。
まとめ|社員の状況に合わせた働き方を作るのは会社の役割
育児時短勤務を利用する社員や異動してきた社員について、仕事量や待遇に疑問を感じる場面はあるかもしれません。しかし、社員を雇用している以上、会社には能力を発揮できる環境を整える責任があります。
仕事が少ない状態が続いている場合、まず考えるべきなのは本人の問題ではなく、配置や業務設計が適切なのかという点です。
制度を利用する社員と周囲の社員がともに働きやすい環境を作るためには、個人への不満ではなく、会社や管理職が適切な仕事配分を行うことが大切です。


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