新事業の立ち上げや店長就任は、会社から期待されている証拠でもあります。しかしその一方で、「責任だけ増えて給料は変わらない」「残業が増えたのに報酬がない」と悩む人は少なくありません。特に年俸制の会社では、残業代や役職手当の扱いが曖昧になりやすく、不満を抱えたまま働いているケースもあります。この記事では、新事業に配属された社員が感じやすい不安や、給与交渉を考えるタイミングについて整理して解説します。
年俸制だから残業代が出ないとは限らない
まず誤解されやすいのが、「年俸制=残業代なし」という考え方です。
実際には、年俸制でも労働時間管理は必要であり、制度内容によっては残業代が発生するケースがあります。
例えば次のような違いがあります。
| 制度 | 特徴 |
|---|---|
| 単純な年俸制 | 残業代は別途必要になる場合がある |
| 固定残業代込み年俸 | 一定時間を超えると追加支給の可能性 |
| 管理監督者 | 残業代対象外になる場合がある |
特に「店長」という肩書だけで、自動的に残業代対象外になるわけではありません。
実際の権限や勤務実態が重要視されるケースも多いです。
新事業で給料が変わらないのは珍しくない
新規事業は、立ち上げ初期に赤字になることも多く、会社側が人件費を慎重に扱うケースがあります。
そのため、店長になってもすぐに役職手当や昇給が反映されない会社も存在します。
特に次のような会社では、「まず成果を見てから」という考え方が強い傾向があります。
- ベンチャー企業
- 小規模企業
- 新規事業中心の会社
- 成果主義が強い会社
ただし、責任や労働量だけ増えて待遇説明がない場合、社員側が不満を持つのは自然なことです。
店長という立場で起きやすい「責任だけ増える問題」
店長になると、現場作業だけではなく次のような業務も増えます。
- スタッフ管理
- 売上管理
- クレーム対応
- 教育
- シフト調整
- 本部とのやり取り
その結果、勤務時間が長くなりやすく、精神的な負担も増えます。
しかし、新事業では人員不足や体制未整備の状態も多いため、「役割だけ増えて待遇が追いつかない」という状態になりやすいのです。
特に立ち上げ期は、“頑張って当然”という空気が生まれやすい点に注意が必要です。
給料交渉は今すぐしない方がいいのか
結論としては、「感情的に不満をぶつける」のではなく、「実績ベースで整理して相談する」方が効果的です。
例えば、次のような内容を整理すると話しやすくなります。
- 労働時間の増加
- 担当範囲の変化
- 売上改善
- 新店舗立ち上げへの貢献
- スタッフ管理人数
「こんなに辛い」だけではなく、「役割と責任が変わったため、評価基準を確認したい」という形の方が、会社側も受け取りやすくなります。
また、すぐに昇給を要求するというより、まずは「今後の評価制度」や「店長手当の有無」を確認する形でも十分意味があります。
赤字事業だから我慢するしかないのか
新事業が赤字だからといって、社員側が無制限に我慢する必要があるわけではありません。
もちろん会社経営には事情がありますが、それと社員の生活は別問題です。
特に次のような状態が続く場合は注意が必要です。
- 長時間労働が常態化
- 役職説明が曖昧
- 評価制度が不透明
- 将来の待遇説明がない
- 責任だけ増える
こうした環境では、モチベーション低下や燃え尽き状態になる人も少なくありません。
新事業経験は将来的に強みになる
一方で、新事業立ち上げ経験は、転職市場では評価されやすい経験でもあります。
特に、「ゼロから店舗運営を経験した」「仕組みづくりを担当した」という実績は、通常業務より市場価値が高く見られる場合があります。
そのため、今後の働き方を考える上でも、「自分が何を経験しているか」を整理しておくことは重要です。
まとめ
新事業の店長になったにもかかわらず、残業増加や責任増に対して待遇が変わらないと、不満や不安を感じるのは自然なことです。
特に年俸制の会社では、「残業代なし」という空気になりやすいですが、制度内容や実態によって考え方は変わります。
また、新規事業では会社側が慎重になるケースもありますが、それでも社員側が待遇や評価について確認することは決して悪いことではありません。
感情的に不満を伝えるより、「役割と成果に対する評価基準を知りたい」という形で整理して相談することで、今後の働き方やキャリアも見えやすくなります。


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