簿記3級の売上諸掛りの仕訳が分からない人へ|先方負担の送料を売上に含める場合と含めない場合の違い

簿記

簿記3級で頻出する売上諸掛りの仕訳では、「先方負担の送料なのになぜ売上に含める場合と含めない場合があるのか」と混乱することがあります。実は、この違いは送料の負担者ではなく、送料をどのような取引として処理しているかによって決まります。この記事では、売上諸掛りの基本的な考え方と、立替払いをした場合の仕訳方法まで具体例を使って解説します。

売上諸掛りとは何か?簿記3級での基本的な考え方

売上諸掛りとは、商品を販売するときに発生する送料や運送費などの付随費用のことです。代表的なものには発送費や運賃があります。

簿記では、送料を誰が負担する契約になっているかによって処理方法が変わります。売主が負担する場合は発送費などの費用として処理し、買主が負担する場合は立替金や売掛金などを使って処理します。

ただし、「買主負担だから必ず売上に含める」という意味ではありません。ここを理解することが、売上諸掛りの問題を解くポイントになります。

先方負担の送料を売上に含める処理になるケース

テキストにある「売上諸掛りが先方負担の場合は、売上諸掛りを売上に含めて処理する」という説明は、送料込みの販売価格として相手に請求する場合の考え方です。

例えば、商品150円(送料込み)で販売した場合、買主は商品代金と送料を合わせて150円支払う契約になっています。この場合、売主から見ると相手に請求する売上金額は150円です。

仕訳は以下のようになります。

(借方)売掛金 150円
(貸方)売上 150円

そして、実際に配送業者へ支払った送料50円は、売主側の費用として処理します。

(借方)発送費 50円
(貸方)現金 50円

買主負担の送料を立替払いする場合に売上へ含めない理由

一方、商品100円を販売し、買主負担の送料50円を売主が一時的に支払った場合は処理が異なります。

この場合、買主が負担する送料は商品代金ではありません。売主は単純に買主の代わりに送料を支払っているだけです。そのため、送料部分を売上として計上することはありません。

仕訳は次のようになります。

(借方)売掛金 100円
(貸方)売上 100円

そして、送料を立替払いした時点では次の処理になります。

(借方)立替金 50円
(貸方)当座預金 50円

最終的に買主から受け取る金額は150円になりますが、売上はあくまで商品の販売額である100円だけです。

売上諸掛りを売上に含めるか判断するポイント

問題を解くときは、「送料を誰が負担するか」だけではなく、「送料を商品代金として請求しているか」を確認しましょう。

判断基準は以下のようになります。

状況 処理
送料込みの商品価格として販売している 送料分を含めて売上計上
相手負担の送料を一時的に支払っている 立替金として処理
自社負担の送料を支払っている 発送費として処理

例えば、ネットショップで「商品代金5,000円、送料込みで5,500円」と表示して販売した場合は、買主が支払う金額全体が売上になります。

一方で、「商品5,000円+送料は購入者負担」として、販売者が配送会社へ送料を先に支払った場合は、送料部分は売上ではなく立替金になります。

立替金で処理した場合に売上150円とする仕訳は正しいのか

質問のように、立替金で処理する場合に売上へ送料を含める仕訳を考えると混乱しやすくなります。

例えば、商品100円と送料50円を別々に扱う契約の場合、売上は商品の販売による収益である100円だけです。送料50円は利益を生む販売代金ではなく、一時的な立替です。

そのため、次のような仕訳になります。

(借方)売掛金 100円
(貸方)売上 100円

(借方)立替金 50円
(貸方)当座預金 50円

その後、買主から150円を受け取った場合は、売掛金100円と立替金50円を消し込む処理をします。

まとめ|売上諸掛りは送料の負担者ではなく請求方法で判断する

簿記3級の売上諸掛りでは、「先方負担」という言葉だけを見ると判断を間違えやすくなります。

重要なのは、その送料が売上代金の一部として請求されているのか、それとも相手の代わりに支払った立替金なのかという点です。

送料込みの商品価格として販売している場合は売上に含め、相手負担の送料を一時的に支払っただけなら立替金として処理します。この考え方を理解すると、似たような仕訳問題でも迷わず判断できるようになります。

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