簿記2級の連結会計で迷いやすい「非支配株主持分」の計算方法|開始仕訳で使い分ける考え方を解説

簿記

簿記2級の連結会計では、2期目以降の開始仕訳で登場する「非支配株主持分」の計算方法に戸惑う受験生が少なくありません。特に「当期純利益×非支配比率」で求めるケースと、「(利益剰余金-当期純利益-支配獲得時利益剰余金)×非支配比率」で求めるケースの違いは頻出論点です。本記事では、それぞれの計算式がどのような場面で使われるのかをわかりやすく解説します。

まず理解したい「非支配株主持分」の考え方

非支配株主持分とは、子会社の純資産のうち親会社以外の株主が持っている部分を表します。

そのため、連結修正では「子会社の純資産のうち、非支配株主の持分がいくらあるか」を求めることになります。

計算対象が「当期の利益」なのか、「支配獲得後に積み上がった利益剰余金全体」なのかによって計算式が変わります。

当期純利益×非支配比率を使うケース

これは当期の損益振替や非支配株主に帰属する当期純利益を計算するときに使用します。

例えば子会社の当期純利益が100万円、非支配比率が20%なら、非支配株主に帰属する利益は20万円です。

計算式は次のとおりです。

内容 計算式
非支配株主に帰属する当期純利益 当期純利益×非支配比率

この場合は当期に発生した利益だけを対象にしているため、利益剰余金全体を考慮する必要はありません。

利益剰余金-当期純利益-支配獲得時利益剰余金を使うケース

こちらは開始仕訳で非支配株主持分の残高を求める場合によく使用されます。

開始仕訳では前期末時点までに蓄積された純資産を計算する必要があります。

そのため、現在の利益剰余金から当期純利益を除き、さらに支配獲得時点ですでに存在していた利益剰余金も除外して、「支配獲得後に増加した利益剰余金」を求めます。

内容 計算対象
開始仕訳の非支配株主持分 支配獲得後に増加した利益剰余金
当期利益の配分 当期純利益のみ

つまり、累積額を求める場合に使用する考え方です。

使い分けを覚えるコツ

試験では「今計算しているのがフローなのかストックなのか」を意識すると判断しやすくなります。

当期の利益だけを扱うなら当期純利益×非支配比率です。

開始仕訳で過去からの累積額を扱うなら支配獲得後利益剰余金×非支配比率です。

問題文で「開始仕訳」「前期末残高」「支配獲得後の増加額」などのキーワードが出てきたら、後者の計算を疑うようにしましょう。

具体例で確認

支配獲得時の利益剰余金が300万円、前期末利益剰余金が500万円、当期純利益が80万円、非支配比率20%とします。

開始仕訳で使用する利益剰余金の増加額は次のようになります。

500万円-80万円-300万円=120万円

非支配株主持分は120万円×20%=24万円です。

一方、当期純利益の配分を求める場合は80万円×20%=16万円となります。

同じ非支配株主持分でも、何を求める場面かによって計算対象が異なることが分かります。

まとめ

簿記2級の連結会計で「当期純利益×非支配比率」と「(利益剰余金-当期純利益-支配獲得時利益剰余金)×非支配比率」が使い分けられるのは、計算対象が異なるためです。

当期の利益配分を求めるなら前者、開始仕訳で支配獲得後に積み上がった利益剰余金に対応する非支配株主持分を求めるなら後者を使用します。問題を解く際は『当期の動きなのか』『累積残高なのか』を意識すると判断しやすくなります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました