従業員に有給休暇を付与した際、その支払った給与を「出勤分」と「有給分」に分けて経理処理すべきかどうかは、実務上よく迷われるポイントです。本記事では、有給休暇の給与の扱いと、税務・労務上の整理方法について解説します。
有給休暇中の給与の基本的な考え方
有給休暇中に支払われる賃金は、労働基準法上「通常の賃金」として扱われます。
つまり、出勤した日と同じ単価で支払われるため、性質としては労働の対価と同等に扱われます。
そのため、給与計算上も特別な区分を必ずしも設ける必要はありません。
出勤分と有給分を分ける必要があるか
経理上は、出勤日数と有給日数を分けて管理することは可能ですが、必須ではありません。
給与台帳や勤怠管理上で区別することはありますが、最終的な支払額は合算で処理されるのが一般的です。
実務的には「総支給額」として一括計上するケースが多く見られます。
青色申告における取り扱い
個人事業主や法人の青色申告においても、有給分を特別に分離して記帳する必要はありません。
給与として支払った総額を人件費として計上する形で問題ありません。
ただし、従業員ごとの給与台帳では勤怠情報と紐づけておくことが望ましいです。
源泉徴収への影響
源泉徴収税額は支払総額に基づいて計算されるため、有給か出勤かで区別する必要はありません。
給与として合算された金額に対して税額表を適用するのが通常の処理方法です。
したがって、有給分のみ別計算する必要はありません。
労働保険料への影響
労働保険料(雇用保険・労災保険)の算定においても、有給休暇分の賃金は賃金総額に含まれます。
そのため、出勤分と有給分を分けても保険料計算上の結果は変わりません。
重要なのは「賃金総額として正しく集計されているか」という点です。
実務上の管理方法のポイント
実務では、勤怠管理上は出勤日と有給日を分けて記録しつつ、給与計算では合算処理する方法が一般的です。
この方法により、労務管理と経理処理の両面で整合性が取れます。
システムを利用している場合も、自動で合算処理される設計が多くなっています。
まとめ
有給休暇の給与は出勤分と性質上同等に扱われるため、経理上必ずしも分ける必要はありません。
青色申告、源泉徴収、労働保険いずれにおいても総支給額として処理するのが一般的です。
ただし、勤怠管理上の記録として出勤日と有給日を分けておくことは実務上有効です。


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