変形労働時間制を採用している会社では、月によって勤務時間や休日数が変わることがあります。しかし、求人票では公休6日以上と記載されていたのに実際には3日しか休みがない、また所定労働時間を大きく超えて働いている場合は、本当に法律上問題がないのか疑問に感じる人も少なくありません。
変形労働時間制は会社が自由に労働時間を増やせる制度ではありません。制度を利用するには一定の条件があり、超過した時間は残業時間として扱われる可能性があります。
この記事では、変形労働時間制の仕組み、月176時間から200時間勤務になった場合の考え方、休日数や求人票との違いについて分かりやすく解説します。
変形労働時間制とは?会社が自由に勤務時間を変更できる制度ではない
変形労働時間制とは、一定期間を平均して法定労働時間内に収めることを条件に、特定の日や週の労働時間を増減できる制度です。
例えば、繁忙期には1日10時間勤務の日を設定する一方で、閑散期には短時間勤務や休日を増やすことで、一定期間全体の労働時間を調整する仕組みです。
ただし、変形労働時間制だからといって、会社が毎月自由に勤務日数を増やしたり、休みを減らしたりできるわけではありません。就業規則への記載や労使協定など、法律で定められた手続きが必要です。
1ヶ月176時間の所定労働時間を超えて200時間働く場合の考え方
月の所定労働時間が176時間と決められている場合、200時間勤務すると単純計算では24時間多く働いていることになります。
ただし、変形労働時間制では「その月の所定労働時間を超えた分=すべて残業」とは限りません。1ヶ月単位の変形労働時間制では、法律で定められた期間平均の労働時間内であれば、あらかじめ決められた勤務時間として扱われる場合があります。
一方で、会社が事前に勤務予定を決めていなかった時間や、制度上認められる範囲を超えた労働については、時間外労働として割増賃金の対象になる可能性があります。
公休3日しかない勤務シフトは問題ないのか
休日については、労働基準法では原則として毎週1日以上、または4週間を通じて4日以上の休日を与える必要があります。
そのため、公休が3日しかないという事実だけで直ちに違法と判断できるわけではありません。休日の数え方や勤務日の配置によって判断が変わります。
しかし、求人票に「公休6日以上」と書かれていたにもかかわらず、実際には大きく下回る勤務条件になっている場合は、労働条件の説明と実態が異なる可能性があります。
例えば、応募時には月6日の休日があると思って入社したのに、実際には月3日しか休めない場合、単なる忙しさではなく労働条件の相違として確認する必要があります。
変形労働時間制が適用されるために必要な条件
変形労働時間制を適用するには、会社側が適切な手続きを行っている必要があります。単に会社が「うちは変形労働時間制だから」と説明するだけでは不十分です。
確認すべきポイントとして、以下のようなものがあります。
- 就業規則に変形労働時間制について記載されているか
- 対象期間や勤務時間のルールが明確になっているか
- シフトが事前に決められているか
- 法定労働時間を超える部分について適切に管理されているか
例えば、毎月のシフト発表後に会社都合で突然休日を減らしたり、予定外の長時間勤務を命じたりする場合は、変形労働時間制の趣旨から外れる可能性があります。
求人票と実際の勤務条件が違う場合の対応
求人票は労働条件を確認する重要な情報ですが、最終的な労働条件は雇用契約書や労働条件通知書で確認する必要があります。
入社後に求人票と大きく異なる条件で働いている場合は、まず会社に確認することが大切です。単なる認識違いなのか、会社側の説明不足なのかを整理できます。
改善されない場合や、長時間労働が続いている場合は、労働基準監督署や労働相談窓口などに相談する方法もあります。
自分の勤務時間を確認するために記録しておくべきこと
労働時間について会社と認識が異なる場合、自分自身で記録を残しておくことが重要です。
具体的には、以下のような情報を保存しておくと役立ちます。
- 毎日の出勤時間と退勤時間
- 実際のシフト表
- 会社からの勤務変更連絡
- 給与明細や残業時間の記録
例えば、シフト表では18時退勤になっているのに実際には毎日21時まで働いていた場合、その記録は労働時間を確認する重要な資料になります。
まとめ
変形労働時間制は、会社が自由に労働時間を増やしたり休日を減らしたりするための制度ではありません。
月176時間の予定が200時間勤務になった場合でも、制度上認められる範囲かどうか、事前に勤務計画が決められていたかによって判断が変わります。
また、公休数が求人票と違う場合や、実際の勤務状況が説明と大きく異なる場合は、雇用契約書やシフト記録を確認し、必要に応じて専門機関へ相談することが大切です。


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