小売店が駐車券を配布する理由とは?利益が減っても実施する店舗側のメリットを解説

会計、経理、財務

小売店やショッピングセンターでは、「2000円以上購入で200円分の駐車券サービス」といった駐車料金の割引制度をよく見かけます。一見すると、商品の利益から駐車券代を負担するため、店舗にとって損をしているように感じるかもしれません。

しかし、駐車券サービスは単純に利益を削るだけの仕組みではありません。店舗側には、お客様の来店促進や購買金額アップ、競合店との差別化など、売上につながる目的があります。

この記事では、小売業者が粗利益を使ってまで駐車券を配布する理由や、その仕組みについて分かりやすく解説します。

駐車券サービスはお客様を呼び込むための販促施策

小売店が駐車券を配布する大きな理由は、お客様に「その店へ行きやすい」と感じてもらうためです。駐車料金が発生する店舗では、購入前から追加費用への不安を持つお客様もいます。

例えば、同じ商品を販売している2店舗があり、一方は駐車料金がかかり、もう一方は一定額以上の購入で無料になる場合、多くのお客様は利用しやすい店舗を選ぶ可能性があります。

つまり駐車券は単なる値引きではなく、来店するハードルを下げるための広告費や集客費として考えられています。

駐車券代を負担しても売上増加につながる可能性がある

質問のように、粗利益率が10%の商品を販売している場合、200円の駐車券を渡すと利益がなくなるように見えることがあります。

しかし、店舗が見ているのは1商品単体の利益だけではありません。駐車券をきっかけに、お客様が予定より多く買い物をする可能性があります。

例えば、本来1500円しか購入する予定がなかったお客様が、「あと500円購入すれば駐車券がもらえる」と考えて追加購入することがあります。この場合、駐車券は購入金額を増やす仕組みとして機能します。

駐車券には客単価を上げる効果がある

多くの店舗では、駐車券の配布条件を「2000円以上購入」など一定金額以上に設定しています。これは、単純なサービスではなく、お客様の購買行動を促す目的があります。

例えば、1000円の商品だけを購入する予定だったお客様が、駐車券の条件を満たすために追加で1000円の商品を購入する場合があります。

店舗側から見ると、200円分のサービスを提供しても、追加購入によって得られる売上や利益が上回れば、十分に意味のある施策になります。

駐車券は競合店との差別化にもなる

大型商業施設や駅周辺の店舗では、お客様が複数の店を比較して利用先を決めることが多くあります。その際、駐車料金の負担は店舗選びの判断材料になります。

例えば、同じ商品価格でも駐車料金が必要な店より、購入によって駐車料金が無料になる店のほうが、お得感を感じてもらいやすくなります。

そのため駐車券サービスは、価格競争とは別の方法でお客様に選ばれるための工夫でもあります。

駐車券の費用は広告費として考えられている

企業では、販売促進のためにチラシ、インターネット広告、ポイント還元など様々な費用を使っています。駐車券もその一つであり、店舗へ来てもらうための販促費として扱われます。

例えば、広告に1万円を使っても必ず来店につながるとは限りません。しかし、駐車券サービスなら実際に来店したお客様へ直接メリットを提供できます。

特に郊外型店舗では、車で来店するお客様が多いため、駐車場サービスは重要な集客手段になります。

すべての店舗が駐車券サービスを行うわけではない理由

駐車券サービスにはメリットがありますが、すべての店舗に適しているわけではありません。店舗の立地、商品の利益率、客層によって効果は変わります。

例えば、駅前で徒歩のお客様が多い店舗では、駐車券よりも別の販促方法のほうが効果的な場合があります。

また、利益率が低い商品を中心に販売している店舗では、駐車券による負担が大きくなりすぎる可能性もあります。そのため、企業は売上データを分析しながらサービス内容を決めています。

まとめ

小売店が駐車券を配布する理由は、単純に利益を減らすためではなく、来店促進や購買金額アップ、競合店との差別化を目的としているためです。

駐車券の費用は商品単体の利益だけを見ると負担に感じますが、追加購入やリピーター獲得につながれば、店舗にとって価値のある投資になります。

つまり駐車券サービスは、お客様への親切なサービスであると同時に、店舗が売上を伸ばすために計算された販売戦略の一つなのです。

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