最低賃金が上がると、今まで扶養内で働けていたパート勤務の方から「収入が増えて扶養を外れてしまうのではないか」「社会保険に加入する必要があるのか」といった不安の声が多く聞かれます。特に106万円の壁と130万円の壁は条件が異なるため、単純に月収だけで判断すると分かりにくい部分があります。この記事では、最低賃金アップによって扶養内パートへどのような影響があるのか、確認すべきポイントを分かりやすく解説します。
最低賃金が上がると扶養内パートに影響する理由
扶養内で働く場合、多くの方が意識するのが年間収入の上限です。しかし、最低賃金が上がると同じ勤務時間でも給与額が増えるため、今まで収入を調整していた人は注意が必要になります。
例えば、時給1000円で週20時間働いていた人が、時給1063円になった場合、同じ勤務時間でも月収は大きく変わります。その結果、社会保険加入の条件や配偶者の扶養条件に近づく可能性があります。
ただし、「月8万8000円を超えたら必ず扶養を外れる」というわけではありません。106万円の壁と130万円の壁では、判断する制度や条件が異なります。
106万円の壁とは社会保険加入に関する基準
106万円の壁とは、主に勤務先の社会保険へ加入するかどうかに関係する基準です。ただし、単純に年収106万円を超えたかどうかだけで決まるものではありません。
一般的には、以下のような条件を満たす場合に勤務先の社会保険加入対象になります。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 月額賃金が8万8000円以上
- 2か月を超える雇用見込みがある
- 学生ではない
- 一定規模以上の企業で働いている
例えば、週20時間未満の契約で働いている場合、月収が8万8000円を超えたとしても、106万円の壁による社会保険加入対象にならないケースがあります。
130万円の壁とは配偶者の健康保険の扶養基準
130万円の壁は、配偶者の健康保険の扶養に入れるかどうかに関係する基準です。こちらは勤務先の規模や週の労働時間よりも、今後の収入見込みが重要になります。
一般的には、年間収入が130万円以上になる見込みの場合、配偶者の健康保険の扶養から外れる可能性があります。
例えば、月収が11万円程度になる働き方を続ける場合、年間では130万円を超えるため、扶養を外れて自分で健康保険や年金の負担が発生する可能性があります。
週20時間以内で働いている場合はどうなるのか
現在、週20時間以内で勤務している場合、最低賃金が上がって月収が増えても、106万円の壁による社会保険加入条件の一つである「週20時間以上」を満たさない可能性があります。
ただし、契約上は週20時間未満でも、実際の勤務時間が恒常的に20時間以上になっている場合などは扱いが変わることがあります。そのため、契約時間と実際の勤務状況を確認することが大切です。
また、社会保険加入対象にならなかったとしても、130万円を超える見込みになれば配偶者の健康保険の扶養から外れる可能性があります。
扶養を外れた場合は国民健康保険になるのか
扶養を外れた場合でも、必ず国民健康保険になるとは限りません。勤務先の条件によっては、自分の勤務先の社会保険へ加入する場合があります。
例えば、勤務時間が増えて会社の社会保険加入条件を満たした場合は、健康保険と厚生年金に加入します。一方で、勤務先の社会保険対象外で扶養から外れる場合は、国民健康保険や国民年金への加入が必要になることがあります。
そのため、「扶養を外れる=すぐ国保」というわけではなく、自分がどの条件に該当するかを確認することが重要です。
最低賃金アップ前に確認しておきたいこと
最低賃金の変更が予定されている場合は、まず現在の契約内容を確認しましょう。確認するポイントは、時給だけでなく、週の契約時間、月の勤務日数、年間収入の見込みです。
また、配偶者の会社の健康保険組合によって扶養認定の細かい基準が異なる場合があります。そのため、夫の勤務先の健康保険担当者へ確認しておくと安心です。
例えば、月収が少し増えるだけで扶養を外れると思って勤務時間を大きく減らしてしまうケースがありますが、実際には条件を満たしていない場合もあります。正確な条件を確認してから働き方を調整することが大切です。
まとめ|最低賃金アップだけで扶養を外れるとは限らない
最低賃金が上がって月収が増えても、それだけで必ず扶養を外れるわけではありません。106万円の壁は社会保険加入条件、130万円の壁は健康保険の扶養条件として考える必要があります。
現在のように週20時間以内で働いている場合は、106万円の壁だけを見るのではなく、週の労働時間や年間収入の見込みを総合的に確認することが重要です。
不安な場合は、派遣会社や勤務先、配偶者の健康保険組合に事前確認を行い、自分に合った勤務時間へ調整することで、安心して働き続けることができます。


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