事務職として入社したにもかかわらず、売上目標や新規契約の獲得を求められると、「これは事務の仕事なのか」「契約時に聞いていた仕事内容と違うのではないか」と疑問を感じることがあります。
特に、会社の業績改善や支店の赤字解消を理由に、事務スタッフへ営業的な役割を求めるケースでは、どこまで対応すべきなのか判断に迷う人も少なくありません。この記事では、事務職と営業業務の違い、会社から新規契約獲得を求められた場合の考え方、適切な対応方法について解説します。
事務職と営業職では本来求められる役割が異なる
一般的に事務職は、社内の業務を円滑に進めるためのサポート役を担います。書類作成、データ入力、電話対応、請求処理、スケジュール管理など、会社運営を支える重要な仕事です。
一方、営業職は顧客へ商品やサービスを提案し、新規契約や売上を作ることが主な役割です。顧客開拓、商談、契約交渉など、売上に直接関わる業務が中心になります。
そのため、事務員として採用された人が突然「新規契約を取ってきてほしい」と言われた場合、戸惑うのは自然なことです。採用時に想定していた仕事内容と大きく異なる可能性があるためです。
会社が事務員にも売上への貢献を求める理由
近年では、職種の境界が以前より曖昧になっている会社もあります。特に人員が少ない支店や中小規模の事業所では、一人の社員が複数の役割を担当することがあります。
会社側から見ると、支店の赤字を改善するためには、営業担当だけでなく全社員が売上や業務改善に意識を持つことが必要だと考える場合があります。
例えば、事務員が既存顧客から問い合わせを受けた際に追加サービスを案内したり、営業担当へ見込み客の情報を共有したりすることは、事務職でも会社への貢献につながります。
ただし、「会社の売上に関心を持つこと」と「営業職と同じように新規契約を獲得すること」は別の話です。
事務員に新規契約獲得まで求めることへの考え方
事務職の社員が新規契約獲得を担当することが必ず問題になるわけではありません。会社の方針や雇用契約、職場環境によって判断は変わります。
例えば、求人票や面接時に「営業活動あり」「顧客対応あり」と説明されていた場合は、一定の営業的業務が含まれる可能性があります。
一方で、「一般事務」として採用され、入社後に十分な説明もなく営業目標や契約ノルマだけを課される場合は、仕事内容の認識に大きな違いがあると言えます。
まず確認したい雇用契約や仕事内容の範囲
業務内容に疑問を感じた場合、感情的に判断する前に、自分の雇用条件を確認することが大切です。
確認するポイントとしては、雇用契約書、労働条件通知書、求人票、就業規則などがあります。そこに記載されている仕事内容や職務範囲を確認することで、自分がどこまで求められているのか整理できます。
例えば、求人票に「事務業務全般」と書かれている場合でも、会社によって含まれる範囲は異なります。しかし、新規顧客への営業活動や契約獲得が通常の事務業務に含まれるかは、会社との認識合わせが必要になります。
会社から営業的な仕事を求められた場合の対応方法
突然営業活動を求められた場合、すぐに拒否するよりも、まず具体的な内容を確認することがおすすめです。
どこまでの業務を期待されているか確認する
「新規契約を取ってほしい」と言われても、その内容には幅があります。既存顧客への案内なのか、新規訪問営業なのか、契約交渉まで担当するのかによって負担は大きく変わります。
例えば、「電話で問い合わせがあった顧客へサービス説明をする」のと、「自分で企業へ訪問して契約を取る」のでは、必要なスキルも責任も全く異なります。
できる範囲を伝える
会社への協力姿勢を示しながら、自分が対応できる範囲を伝えることも重要です。
例えば、「既存顧客対応や営業サポートは協力できますが、新規営業の経験がないため、具体的な研修や目標設定について相談したいです」と伝えることで、建設的な話し合いにつながります。
赤字改善の責任を一人で背負う必要はない
支店の赤字や売上不足について、社員として改善に協力する姿勢は大切です。しかし、会社の経営課題を一人の事務員が背負う必要はありません。
売上改善には、営業戦略、価格設定、人員配置、サービス内容など、さまざまな要素が関係しています。一人の社員の努力だけで解決できる問題ではない場合もあります。
例えば、営業担当が不足している会社で事務員に営業活動を求める場合、本来は採用や組織体制の見直しも含めて会社全体で考えるべき課題です。
仕事を続けるか判断するときのポイント
仕事内容が変化した場合、すぐに退職を考えるのではなく、自分が納得できる条件なのかを考えることが大切です。
確認したいポイントは、給与や評価制度が明確か、営業業務に対する教育があるか、責任と待遇が見合っているかという点です。
例えば、営業業務を担当する代わりにインセンティブ制度があり、キャリアアップにつながるのであれば前向きに挑戦できる人もいます。一方で、責任だけ増えて評価や待遇が変わらない場合は、長期的に続けることが難しくなる可能性があります。
まとめ:事務員が会社に貢献することと営業を担当することは別に考える
事務職でも会社の売上や業績に関心を持つことは大切ですが、新規契約獲得などの営業活動まで求められる場合は、仕事内容や条件を確認する必要があります。
会社の状況によっては、事務員が幅広い業務を担当することもあります。しかし、採用時の説明と大きく異なる業務や、責任に対して待遇が合わない場合は、会社と話し合うことが重要です。
大切なのは、会社の期待に応えることだけでなく、自分の役割や働き方について納得できる状態を作ることです。仕事内容の範囲を整理し、無理なく続けられる働き方を考えることが、長く働くための第一歩になります。


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