三等航海士になるまでの勉強時間は300時間では足りない?自社養成2年間のカリキュラムの理由を解説

資格

三等航海士を目指す場合、必要な勉強時間について調べると「300時間程度」という情報を見かけることがあります。しかし、自社養成制度などでは2年間という長い期間をかけて育成するケースもあり、単純に計算すると大きな差があるように感じます。この記事では、三等航海士取得までに必要な学習時間と、自社養成で長期間の訓練が行われる理由について解説します。

三等航海士になるために必要な勉強時間300時間の意味

「300時間」という数字は、主に試験対策として必要になる座学の勉強時間の目安として考えられることが多いです。海技士試験の内容を理解し、過去問題を解き、合格レベルまで知識を身につけるための学習量として示される数字です。

ただし、三等航海士の仕事に必要な能力は、試験問題を解ける知識だけではありません。船舶運航に関する判断力、航海計画、安全管理、実際の船上での対応力など、現場で求められる能力は試験勉強とは別に身につける必要があります。

例えば、海図を読む、気象や海象を判断する、船橋で他船との距離を確認する、緊急時に適切な対応をするなどは、単なる暗記では習得できません。

自社養成制度で2年間かけて育成する理由

海運会社などが行う自社養成制度では、単に資格取得だけを目的としているわけではありません。将来的に船員として安全に勤務できる人材を育てることが目的です。

2年間のカリキュラムでは、海技士試験に必要な知識だけでなく、船舶運航に関する専門教育、実習、乗船経験、安全教育、会社独自の研修などが含まれています。

例えば、陸上で航海計器の操作方法を学んだ後、実際に船に乗って当直業務を経験することで、知識を実際の判断につなげる力を身につけます。このような経験は短期間の試験勉強だけでは得られません。

資格試験の勉強と船員として働くための訓練は別物

三等航海士の資格試験に合格することと、三等航海士として安全に仕事をすることは同じではありません。資格試験は必要な知識を確認するものですが、現場では状況に応じた判断が求められます。

例えば、試験では航法や法規の問題を解答できますが、実際の航海では霧の中での航行判断や、他船との関係を考えた操船、安全な航路選択などを瞬時に判断する必要があります。

そのため、海運会社では資格取得後すぐに現場で活躍できるよう、長期間の教育期間を設けています。

300時間以上の学習が必要になるケース

300時間という勉強時間は、すでに海事分野の基礎知識がある人の場合の目安になることがあります。未経験者の場合は、専門用語や航海に関する基本知識から学ぶ必要があるため、さらに時間が必要になることがあります。

特に初めて海運業界を目指す人の場合、英語、数学、物理、航海計器、船舶構造など幅広い分野を理解する必要があります。

例えば、陸上勤務から船員を目指す人であれば、海図の見方や航海計算など、それまで触れてこなかった分野を一から学習することになるため、試験勉強以外の準備時間も必要になります。

三等航海士を目指すなら資格取得後を見据えた準備が重要

三等航海士を目指す場合、試験に合格することだけを目標にすると、実際に船に乗った際に苦労する可能性があります。資格取得はスタート地点であり、その後安全に業務を行うための基礎作りが重要です。

自社養成制度の2年間は、試験勉強だけではなく、将来一人前の航海士になるための総合的な訓練期間と考えることができます。

短期間で資格を取得する道もありますが、長期的に航海士として働くことを考えるなら、実習や現場経験を積むことが大きな意味を持ちます。

まとめ

三等航海士取得に必要とされる300時間という勉強時間は、主に資格試験対策としての目安です。一方、自社養成制度で2年間かけて育成するのは、試験合格だけではなく、実際の船上で安全に働ける能力を身につけるためです。

航海士という仕事は知識だけでなく経験や判断力が重要な職種です。そのため、資格取得までの期間には試験勉強以外にも多くの訓練や実習が含まれていると考えると、300時間と2年間の違いを理解しやすくなります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました