建設業許可の新規申請では、工事経歴書の作成が必要になります。特に経営事項審査(経審)を申請しない場合、「主な完成工事とはどの工事を指すのか」「完成工事高の何割まで記載すればよいのか」と迷う方も少なくありません。
この記事では、建設業許可申請における工事経歴書の基本的な考え方や、経審を受けない場合の主な完成工事の選び方、経審を受ける場合との違いについて分かりやすく解説します。
建設業許可申請における工事経歴書の目的
工事経歴書は、申請者がこれまでどのような建設工事を請け負ってきたのかを行政庁へ示すための書類です。単に売上を報告するものではなく、許可を受けようとする業種について、実績や施工内容を確認するために使用されます。
そのため、記載する工事は単純に件数の多いものを並べるのではなく、申請する建設業種に関連する代表的な工事を選んで記載することが重要です。
例えば、内装仕上工事業の許可を申請する場合であれば、内装工事として請け負った代表的な案件を記載し、単なる資材販売や建設業許可対象外の業務などは基本的に対象外となります。
「主な完成工事」とはどの工事を指すのか
工事経歴書における「主な完成工事」とは、その業種における代表的な工事や、請負金額が大きい工事を意味します。
国土交通省の様式では、主な完成工事について請負代金の額の大きい順に記載することとされています。そのため、基本的には金額の大きな工事から順番に記載していきます。
ただし、「主な工事」と「主ではない工事」に明確な金額基準が全国一律で設定されているわけではありません。申請する業種の実績を説明できる代表的な工事を選択するという考え方になります。
経営事項審査を受けない場合の記載範囲
経営事項審査を申請しない場合でも、工事経歴書の作成は必要です。この場合、経審を受ける場合とは記載方法や考え方が一部異なります。
経審を受ける場合は、完成工事高の上位工事や元請工事などについて、審査に必要な情報をより詳細に記載する必要があります。一方で、経審を受けない建設業許可申請の場合は、許可行政庁が工事実績を確認できる程度の内容を記載します。
つまり、「経審を受けない場合は必ず完成工事高の7割まで記載する」という単純な考え方ではありません。7割という基準は主に経審時の工事経歴書作成ルールに関連するものであり、許可申請の場合とは目的が異なります。
経審ありの場合と経審なしの場合の違い
工事経歴書の作成では、経営事項審査を受けるかどうかによって重点が変わります。
| 項目 | 経営事項審査あり | 経営事項審査なし |
|---|---|---|
| 目的 | 公共工事入札などの評価資料 | 建設業許可申請の確認資料 |
| 工事記載の考え方 | 評価対象となる工事を重視 | 代表的な工事実績を示す |
| 7割基準 | 一定の場合に使用 | 必ず適用されるものではない |
| 重要視される点 | 請負金額や元請実績など | 業種との関連性や実績確認 |
このように、経審を受けない場合は「点数を上げるための資料」ではなく、「その業種で工事を行っていることを確認する資料」として作成することになります。
工事経歴書を作成するときの具体例
例えば、リフォーム会社が建築一式工事または内装仕上工事の許可を申請する場合、過去1年間に以下のような工事があったとします。
- 住宅全面リフォーム工事 800万円
- 店舗内装改修工事 500万円
- クロス張替工事 50万円
- 小規模修繕工事 20万円
この場合、請負金額の大きい代表的な工事から記載し、申請する業種を説明するうえで重要な工事を中心に掲載します。すべての細かな工事を無理に並べる必要はありません。
一方で、金額が小さくても申請業種との関連性を示すために必要な工事であれば、記載する意味があります。
大阪府で建設業許可申請をする場合の注意点
大阪府で建設業許可の新規申請を行う場合も、基本的な考え方は国土交通省の工事経歴書作成ルールに沿います。ただし、提出書類の確認方法や補正対応などは担当窓口によって確認される場合があります。
特に新規許可申請では、工事経歴書だけでなく、注文書、請求書、契約書などによって実績確認を求められる場合があります。そのため、記載する工事については根拠資料を整理しておくことが大切です。
迷った場合は、大きな工事だけを記載するのではなく、「申請する業種の実績を行政担当者が理解できるか」という視点で選ぶと作成しやすくなります。
まとめ|経審なしの工事経歴書は代表的な工事を分かりやすく記載する
建設業許可の工事経歴書では、「主な完成工事」とは申請業種に関係する代表的な工事を指し、基本的には請負金額の大きいものから記載します。
経営事項審査を受ける場合の7割基準などは、経審特有の考え方であり、経審を受けない新規許可申請にそのまま当てはめるものではありません。
重要なのは、許可を取得しようとする業種について、どのような工事経験があるのかを行政庁が確認できるように整理することです。金額だけではなく、工事内容との関連性も考慮して工事経歴書を作成しましょう。


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