労災事故による治療が続いた後、医師から症状固定と判断された場合、その後の生活や会社との関係について不安を感じる方は少なくありません。特に後遺障害(後遺症)申請を行う場合、「会社はどう対応するのか」「申請中に解雇されることはあるのか」と心配になることがあります。
この記事では、労災保険で症状固定になった後に後遺障害申請をする場合の会社との関係や、解雇に関するルール、今後確認しておきたいポイントについて詳しく解説します。
労災保険で症状固定になった後の流れ
症状固定とは、治療を続けても医学的に大きな改善が見込めない状態になったことを指します。これは「完全に治った」という意味ではなく、残った症状について今後どのように扱うかを判断する段階です。
症状固定後、身体に一定の障害が残っている場合は、労働基準監督署へ後遺障害等級の認定申請を行うことができます。認定されると、等級に応じて障害補償給付などを受けられる可能性があります。
例えば、手足のしびれ、関節の可動域制限、視力や聴力の低下など、事故によって残った症状が対象になる場合があります。
後遺症申請中でも会社との雇用関係は続く
後遺障害申請をしている期間中であっても、基本的には会社との雇用関係が自動的になくなるわけではありません。
労災による休業中や治療中の労働者については、法律上、一定期間は解雇が制限されています。労働基準法では、業務上の負傷や疾病による療養のため休業している期間と、その後一定期間について、会社は原則として解雇できないとされています。
そのため、単に「労災を利用した」「後遺障害申請をした」という理由だけで会社が自由に解雇できるわけではありません。
症状固定後は解雇される可能性があるのか
症状固定後は、治療による休業期間とは法律上の扱いが変わる点に注意が必要です。症状固定によって労災上の療養が終了した後は、会社の就業規則や本人の労働能力などを踏まえて判断されることがあります。
ただし、症状固定になったからといって、会社が必ず退職や解雇を求められるわけではありません。残った障害の程度や仕事内容によっては、配置転換や業務内容の調整などで働き続けられる場合もあります。
例えば、以前と同じ重い作業が難しくなった場合でも、事務作業や負担の少ない業務へ変更することで勤務を継続できるケースがあります。
会社が後遺障害申請を嫌がることはあるのか
後遺障害申請は労災保険上の正当な手続きであり、労働者が利用する権利があります。会社の許可がなければ申請できないというものではありません。
一方で、会社側が手続きへの協力や書類作成を求められる場面はあります。そのため、会社と必要な連絡を取りながら進めることが大切です。
もし会社から申請を止めるよう言われたり、不利益な扱いを受けたりした場合は、労働基準監督署や労働問題を扱う専門家へ相談することも検討しましょう。
後遺障害申請を進める際に確認したいこと
後遺障害申請では、医師の診断書や検査結果などが重要になります。症状が残っている場合は、日常生活や仕事への影響を具体的に整理しておくことが大切です。
例えば、「痛みがある」だけではなく、「長時間立つことが難しい」「重い物を持てない」「細かい作業ができない」など、具体的な状況を記録しておくと申請時の資料として役立ちます。
また、会社とのやり取りについても、口頭だけではなくメールや書面など記録が残る形で行うことで、後々のトラブル防止につながります。
まとめ
労災保険で症状固定となった後に後遺障害申請を行っても、それだけで会社との雇用関係が終了するわけではありません。
労災による休業中は法律による解雇制限がありますが、症状固定後の対応については、残った障害の程度や会社での働き方によって変わります。
後遺症が残っている場合は、無理に我慢せず適切な申請手続きを進め、自分の状態に合った働き方について会社や専門機関と相談することが大切です。


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