パートタイム・有期雇用労働者に休職制度がないのは違法?正社員との待遇差を判断するポイント

労働条件、給与、残業

正社員には私傷病による休職制度がある一方で、有期雇用の契約社員には同じ制度が設けられていない場合、パートタイム・有期雇用労働法上問題がないのか疑問に感じることがあります。非正規雇用者と正社員の待遇差については、単純に制度の有無だけで判断するのではなく、その違いに合理的な理由があるかどうかが重要になります。この記事では、有期雇用労働者の休職制度と不合理な待遇差の考え方について解説します。

パートタイム・有期雇用労働法が禁止する不合理な待遇差とは

パートタイム・有期雇用労働法では、正社員とパートタイム労働者、有期雇用労働者との間で、基本給や賞与、福利厚生などの待遇について不合理な差を設けることを禁止しています。

ただし、この法律は「正社員と契約社員のすべての待遇を必ず同じにしなければならない」という意味ではありません。職務内容、責任の範囲、配置変更の可能性、雇用期間などを考慮して、合理的な違いであれば認められる場合があります。

そのため、休職制度についても「正社員にはあるが契約社員にはない」という事実だけで、直ちに違法と判断されるわけではありません。

私傷病による休職制度は法律上必ず設ける必要があるのか

私傷病による休職制度は、法律で企業に設置が義務付けられている制度ではありません。会社が就業規則などで任意に定めている福利厚生制度の一つです。

そのため、会社が正社員向けの休職制度を設けていても、契約社員やパートタイム労働者には適用しないという制度設計自体は、一定の場合には可能です。

例えば、長期雇用を前提としている正社員と、契約期間が限定されている有期契約社員で制度内容を分けることには、雇用管理上の理由があると説明される場合があります。

契約社員だけ休職制度がない場合に確認すべきポイント

有期雇用労働者に休職制度がないことが問題となるかどうかは、その制度差に納得できる理由があるかがポイントになります。

確認すべき事項としては、以下のような点があります。

  • 正社員と契約社員で仕事内容や責任に違いがあるか
  • 契約期間の長さや更新状況に違いがあるか
  • 転勤や配置転換など会社への拘束度に違いがあるか
  • 休職制度を適用しない合理的な理由が会社から説明されているか

例えば、同じ業務を行い、勤務時間や責任もほぼ同じで、長期間勤務している契約社員だけが休職制度の対象外となっている場合、不合理な待遇差に該当する可能性があります。

正社員と同じ働き方をしている場合は注意が必要

近年では、有期雇用労働者であっても正社員とほぼ同じ業務内容や責任を担っているケースがあります。そのような場合、単に「契約社員だから」という理由だけで待遇差を設けることは適切ではありません。

例えば、正社員と契約社員が同じ部署で同じ仕事を担当し、勤務時間や業務上の責任も同程度であるにもかかわらず、契約社員だけが病気やけがによる休職制度を利用できない場合、その差について合理的な説明が求められます。

会社側には、待遇差の内容や理由について労働者から説明を求められた場合、説明する義務があります。

休職制度の適用について会社に確認する方法

自身が休職制度の対象になるか確認したい場合は、まず就業規則や雇用契約書を確認することが大切です。休職制度の対象者や条件は、会社ごとに規定されています。

そのうえで疑問がある場合は、人事担当者や労務担当者に制度の適用範囲や理由を確認するとよいでしょう。

会社から十分な説明がなく、待遇差が不合理だと感じる場合には、都道府県労働局の相談窓口などで確認する方法もあります。

まとめ|有期雇用者に休職制度がないことは理由によって判断される

正社員には私傷病による休職制度があり、有期雇用の契約社員にはない場合でも、それだけで直ちに違法になるわけではありません。パートタイム・有期雇用労働法では、待遇差が不合理かどうかを具体的な事情から判断します。

重要なのは、雇用形態だけで判断するのではなく、仕事内容、責任、勤務実態、制度の目的などを総合的に確認することです。

もし正社員とほぼ同じ働き方をしているにもかかわらず、合理的な説明なく制度利用が制限されている場合は、会社への確認や専門機関への相談を検討するとよいでしょう。

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