日商簿記2級の連結財務諸表で迷いやすい「非支配株主に帰属する当期純利益」と「当期純損益」の違いを解説

簿記

日商簿記2級の連結財務諸表では、「非支配株主に帰属する当期純利益」と「非支配株主に帰属する当期純損益」という似たような言葉が登場し、違いが分かりにくいと感じる人も多くいます。どちらも子会社の利益や損失のうち、親会社以外の株主に帰属する部分を表す項目です。この記事では、それぞれの意味や使い分け、問題を解く際の考え方について具体例を交えながら解説します。

非支配株主に帰属する項目とは何か

連結財務諸表では、親会社が子会社を支配している場合、子会社の財務情報を親会社の財務情報と合算します。しかし、子会社の株式を100%所有していない場合、子会社の利益や損失のすべてが親会社のものになるわけではありません。

例えば、親会社が子会社の株式を80%所有している場合、残り20%は他の株主が保有しています。この親会社以外の株主が「非支配株主」です。

そのため、子会社が計上した当期純利益のうち、非支配株主に対応する部分を分けて表示する必要があります。

「非支配株主に帰属する当期純利益」とは

非支配株主に帰属する当期純利益とは、子会社が利益を出した場合に、その利益のうち非支配株主の持分に該当する金額を表します。

つまり、子会社が黒字の場合に使用される項目です。

例えば、子会社の当期純利益が1,000万円で、非支配株主の持分が20%の場合、計算は以下のようになります。

1,000万円×20%=200万円

この200万円が「非支配株主に帰属する当期純利益」として扱われます。残りの800万円は親会社株主に帰属する利益となります。

「非支配株主に帰属する当期純損益」とは

一方、「非支配株主に帰属する当期純損益」という表現は、利益だけではなく損失の場合も含めた総称として使われます。

「損益」という言葉は、利益(益)と損失(損)の両方を意味します。そのため、子会社が利益を出した場合も、赤字になった場合も使用できる表現です。

例えば、子会社が500万円の損失を計上し、非支配株主の持分が20%の場合は以下のようになります。

500万円×20%=100万円

この場合、非支配株主に帰属する部分は100万円の損失となり、「非支配株主に帰属する当期純損益」として表示されます。

当期純利益と当期純損益の使い分け

両者の違いは、利益だけを扱うのか、損失も含めて扱うのかという点です。

項目 意味
非支配株主に帰属する当期純利益 子会社が利益を出した場合の非支配株主分
非支配株主に帰属する当期純損益 利益または損失を含めた非支配株主分の総称

簿記2級の問題では、子会社が黒字なのか赤字なのかによって表示する名称が変わるため、まず子会社の当期純利益がプラスなのかマイナスなのかを確認することが大切です。

例えば、問題文に「子会社の当期純利益」と書かれていれば利益なので「非支配株主に帰属する当期純利益」と考えます。一方、「当期純損益」と書かれている場合は利益・損失のどちらも含むため、状況に応じて判断します。

連結財務諸表の問題を解くときのポイント

連結会計では、単純に子会社の利益を足し合わせるだけではなく、親会社株主分と非支配株主分に分ける作業が必要です。

問題を解く際は、次の順番で確認すると整理しやすくなります。

1. 子会社の当期純利益または損失を確認する
2. 非支配株主の割合を確認する
3. 非支配株主に帰属する金額を計算する
4. 利益なら「当期純利益」、損失を含む場合は「当期純損益」と考える

例えば、子会社の利益が2,000万円、非支配株主割合が30%の場合、600万円が非支配株主分になります。この金額を連結上で適切に区分することが重要です。

まとめ|非支配株主に帰属する当期純利益と当期純損益の違いは利益か損失か

日商簿記2級の連結財務諸表で登場する「非支配株主に帰属する当期純利益」と「非支配株主に帰属する当期純損益」の違いは、損失を含むかどうかです。

子会社が利益を計上している場合は「非支配株主に帰属する当期純利益」となり、利益・損失の両方を含めて表現する場合には「非支配株主に帰属する当期純損益」という言葉が使われます。

連結会計では用語の意味を理解することが得点につながります。単なる暗記ではなく、誰の利益や損失なのかを意識して考えることで、応用問題にも対応しやすくなるでしょう。

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