有給休暇について「この月は取ってください」「この月は忙しいから取得禁止」と会社から決められているケースがあります。しかし、有給休暇は本来、労働者が心身を休めるために取得できる大切な権利です。
この記事では、有給休暇の取得時期を会社が制限できるのか、繁忙期を理由に取得できない月を設定することが認められるのか、法律上の考え方を分かりやすく解説します。
有給休暇は基本的に労働者が自由に取得できる権利
年次有給休暇は、一定期間働いた労働者に対して法律で認められている休暇制度です。取得する時期は、原則として労働者が希望して決めることができます。
例えば、「4月は2日取得してください」「6月は1日取得してください」と会社側が一方的に毎月の取得日数を決める場合、実質的に労働者が自由に取得する機会を制限している可能性があります。
ただし、会社がすべての場合に有給取得日を決められないというわけではありません。法律上認められた例外も存在します。
会社が有給休暇の日を指定できる場合とは
会社には「時季変更権」という制度があります。これは、労働者が希望した日に有給休暇を取得すると事業の正常な運営が難しくなる場合、会社が取得日を変更できる仕組みです。
例えば、大型連休前後で多くの従業員が同時に休むことで業務が完全に停止してしまうような場合には、会社が別の日への変更を求めることがあります。
しかし、単に「忙しいから」「毎年この時期は人手不足だから」という理由だけで、有給取得を全面的に禁止することが認められるわけではありません。
年5日の有給休暇取得義務と会社による指定
2019年から、一定条件を満たす労働者について、会社は年5日の有給休暇を取得させる義務があります。これは、労働者が自分から取得しない場合でも、会社側が取得時期を指定する場合があるという制度です。
例えば、従業員がほとんど有給を使わない会社では、会社が「この日に有給を取得してください」と指定して、年間5日分を確保することがあります。
ただし、この制度は従業員の休暇取得を促進するためのものであり、会社が自由に毎月の有給取得日を管理してよいという意味ではありません。
「GWで休んだから有給なし」は問題ないのか
会社によっては、ゴールデンウィークや年末年始などの長期休暇を理由に「今月は有給取得なし」と決める場合があります。
会社が休日として設定している期間は、通常は有給休暇ではありません。そのため、会社カレンダー上の休日を休んだことだけで、有給休暇を取得した扱いにすることはできません。
例えば、GW期間中に会社自体が休業している場合、その休みは会社休日であり、労働者の有給休暇を消化したことにはなりません。
会社の有給ルールを確認するときのポイント
有給休暇の扱いに疑問を感じた場合は、まず就業規則や会社の休暇制度を確認することが大切です。有給休暇の計画的付与制度を導入している会社では、一定の日を会社側が指定することがあります。
計画的付与制度とは、労使協定に基づいて有給休暇の一部取得日をあらかじめ決める制度です。この場合、法律上認められた範囲で会社が取得日を指定できます。
一方で、労使協定もなく、会社が一方的に「この月は必ず取得」「この月は禁止」と管理している場合は、適切な運用ではない可能性があります。
まとめ
有給休暇は本来、労働者が希望する時期に取得できる権利です。会社が取得日を指定できるケースもありますが、自由な取得を制限するような運用は認められません。
「忙しい月だから有給禁止」「会社都合で毎月取得日数を固定する」といった扱いが適切かどうかは、計画的付与制度や労使協定の有無によって変わります。
自分の会社の制度に疑問がある場合は、就業規則を確認したうえで、人事担当者や労働相談窓口へ相談することも検討するとよいでしょう。


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