「三菱」という名前を持つ企業には、三菱グループに属する会社と、実はグループとは関係のない会社があります。代表的な例が三菱鉛筆です。また、かつて販売されていた三菱サイダーについても、名前から三菱グループとの関係を疑問に思う人は少なくありません。
この記事では、三菱鉛筆や三菱サイダーが三菱グループと関係しているのか、また本社建設や事業売却などによって関係が生まれたのかについて、企業の歴史をもとに分かりやすく解説します。
三菱鉛筆は三菱グループの会社ではない
結論から言うと、三菱鉛筆は三菱グループに属している会社ではありません。現在の三菱グループを構成する三菱商事、三菱重工業、三菱UFJ銀行などとは資本関係や企業系列としてのつながりはありません。
三菱鉛筆は1887年に創業した筆記具メーカーで、代表的な商品である「uni(ユニ)」シリーズなどで知られています。一方、三菱グループの起源は岩崎弥太郎が創業した三菱財閥であり、両者は歴史的にも別の流れから生まれた企業です。
つまり、三菱鉛筆が三菱グループと関係を持つようになったというより、もともと別会社だったものが同じ「三菱」という名称を使用しているというのが正確です。
なぜ三菱鉛筆は三菱という名前を使えるのか
三菱鉛筆が三菱グループではないにもかかわらず「三菱」という名前を使用している理由は、三菱グループよりも前から三菱の商標を使用していた歴史があるためです。
三菱鉛筆の前身である眞崎鉛筆製造所は、明治時代から「三菱」の商標を使用していました。当時は現在のような企業グループによるブランド管理が一般的ではなく、別々の企業が同じ名称を使用することがありました。
そのため、三菱鉛筆は長い歴史の中で独自に「三菱」ブランドを築いており、三菱グループから許可を受けて名前を使っているわけではありません。
三菱鉛筆の本社を三菱地所が建設した理由
三菱鉛筆の本社ビルを三菱地所が手掛けたことがあるため、「やはり三菱グループと関係があるのでは」と考える人もいます。
しかし、三菱地所が建物を開発・管理することと、企業グループとして所属することは別の話です。不動産会社は、依頼を受けたり、条件が合えばグループ外の企業向けにもビルを提供します。
例えば、ある企業が三菱地所の管理するオフィスビルに入居していても、その企業が三菱グループになるわけではありません。三菱鉛筆の場合も同様に、不動産取引上の関係と企業系列上の関係は区別する必要があります。
三菱サイダーは三菱グループの商品だったのか
三菱サイダーについても、名前から三菱グループの商品だと思われることがあります。しかし、もともと三菱サイダーは三菱グループが開発した飲料ではありません。
三菱サイダーは熊本県の乳製品メーカーである弘乳舎などが販売していた商品で、名前の「三菱」は三菱グループのブランドとは別の由来を持っていました。
その後、事業や販売権などの関係で三菱商事が関わる形になったとしても、それだけで三菱サイダーが三菱グループの一員になったという意味ではありません。企業間の取引や事業譲渡と、企業グループへの加入は異なります。
三菱グループとの関係は資本関係や系列で判断する
企業同士の関係を見る場合、単に同じ名前を使っているか、取引があるかだけでは判断できません。一般的には、株式保有、役員派遣、グループ会社としての位置づけなどを確認します。
例えば、ある会社が三菱商事と取引をしていたり、三菱地所のビルを利用していたりしても、それだけで三菱グループ企業になるわけではありません。
逆に、名前が違っていても三菱グループの一員である企業も存在します。そのため、「三菱」という名称だけで判断するのではなく、企業の沿革や資本関係を見ることが重要です。
まとめ
三菱鉛筆と三菱サイダーは、名前に「三菱」が付いていますが、基本的には三菱グループとは別の存在です。
三菱鉛筆は三菱グループより前から独自に三菱の商標を使用してきた企業であり、三菱地所との関係も不動産取引によるものです。また、三菱サイダーについても販売や事業上の関係があったとしても、それだけで三菱グループ企業になるわけではありません。
同じ名称を持つ企業同士でも、歴史や資本関係を確認すると、それぞれ異なるルーツを持っていることが分かります。


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