JASSO(日本学生支援機構)の給付奨学金を利用している学生の中には、病気や精神的な不調などによって学校へ通うことが難しくなり、休学や退学を考えるケースがあります。その際に気になるのが、これまで受け取った給付奨学金や授業料減免の費用を返す必要があるのかという点です。
給付奨学金は、一定の条件を満たす学生を支援する制度ですが、退学や成績・出席状況の変化があった場合でも、必ず返還になるとは限りません。この記事では、病気などやむを得ない事情がある場合の扱いや、確認すべきポイントについて詳しく解説します。
JASSO給付奨学金は基本的に返還不要の制度
JASSOの給付奨学金は、貸与型奨学金とは異なり、条件を満たしている学生に対して返済不要で支給される制度です。そのため、通常は受け取った給付金を後から返還する必要はありません。
ただし、制度の趣旨から大きく外れる状況になった場合や、支給条件を満たしていなかったことが後から判明した場合などには、返還を求められる可能性があります。
例えば、学校へほとんど通っていないにもかかわらず、正当な理由なく在籍だけしていた場合などは、制度上の確認対象になることがあります。
退学した場合、それまでの給付奨学金は返還になるのか
退学したからといって、必ず過去に受け取った給付奨学金を全額返還しなければならないわけではありません。
給付奨学金の支給期間中に学校へ在籍し、適格認定などの手続きを経て支給を受けていた場合、その時点では制度の条件を満たしていたと判断されているためです。
例えば、1年次に問題なく授業へ出席し、適格認定も通過していた学生が、2年次に病気を発症して通学が困難になり退学した場合、過去に正しく受給した分まで遡って返還を求められるとは限りません。
病気や精神的な不調による場合は考慮されることがある
JASSOの適格認定では、学業成績や出席状況だけでなく、学生本人の事情も考慮されます。病気やけが、精神的な疾患などによって学業継続が困難になった場合は、やむを得ない事情として扱われる可能性があります。
特に医師の診断書を学校へ提出している場合、その事情は学校側にも記録されています。適応障害や抑うつ状態などによって通学が困難になった場合、単純に「怠けていた」と判断されるわけではありません。
例えば、病気の診断後に学校へ行けない日が増えたものの、学校へ相談し診断書を提出していた場合は、学校側が事情を把握したうえで適格認定を行うことになります。
授業料減免(高等教育の修学支援新制度)の扱いにも注意
給付奨学金と同時に利用できる授業料・入学金の減免制度についても、退学時の扱いを確認する必要があります。
基本的には、支援対象期間において条件を満たしていた場合、すでに受けた減免額がすべて返還になるとは限りません。しかし、支援対象外となる期間に誤って減免を受けていた場合などは、返還が必要になることがあります。
退学を決めた場合は、退学日や支援終了時期によって処理が変わるため、学校の奨学金担当窓口へ確認することが重要です。
退学前に学校へ確認しておくべきこと
退学を決める前には、学校の学生課や奨学金担当部署へ以下の点を確認しておくと安心です。
- 給付奨学金の停止時期
- これまで受給した分の返還義務が発生する可能性
- 授業料減免分の取り扱い
- 退学理由として病気が考慮されるか
- 必要な書類や手続き
特に病気が理由の場合は、診断書や通院記録などが重要になることがあります。すでに学校へ診断書を提出している場合でも、退学手続きの際に改めて確認しておくと安心です。
例えば、退学届を提出する前に「適応障害によって通学困難になった事情があります。給付奨学金や授業料減免について返還対象になる可能性はありますか」と相談することで、学校側から具体的な案内を受けられます。
まとめ
JASSOの給付奨学金は、退学した場合でも必ず返還が必要になるわけではありません。支給を受けていた期間に条件を満たしており、病気などの正当な事情がある場合は、その事情を踏まえて判断されます。
適応障害や抑うつ状態などによって学業継続が難しくなった場合は、自己判断で返還を心配する前に、学校の奨学金担当者へ相談することが大切です。
給付奨学金や授業料減免は手続きや個別事情によって判断が異なるため、退学前に学校へ状況を説明し、必要な確認を行うことで安心して次の進路を考えられます。


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