欠勤控除を行った給与計算では、休んだ日数分を差し引いた結果、最低賃金を下回ってしまうケースがあります。その場合、どのような計算方法を使うべきなのか、また月によって所定労働日数が多く基本給を上回ってしまう場合はどう扱うのか、給与担当者にとって判断が難しい問題です。
この記事では、欠勤控除と最低賃金の関係、月ごとの労働日数による変動がある場合の考え方、給与計算で確認すべきポイントについて分かりやすく解説します。
欠勤控除を行った給与が最低賃金を下回る場合の考え方
欠勤控除とは、従業員が本来勤務する予定だった日に欠勤した場合、その欠勤分に相当する給与を減額する仕組みです。一般的には「月給÷所定労働日数」などで1日あたりの給与額を計算し、欠勤日数分を差し引きます。
ただし、欠勤控除後の給与額を実際の労働時間で割った金額が最低賃金を下回る場合は注意が必要です。最低賃金法では、実際に働いた時間に対して最低限支払うべき賃金額が定められています。
例えば、月給制の従業員が欠勤によって給与が大幅に減額され、出勤した時間分で計算すると最低賃金未満になる場合は、最低賃金を下回らないよう調整が必要になることがあります。
最低賃金を確認するときの計算方法
月給制の従業員について最低賃金を確認する場合は、基本的に「月給から最低賃金の対象にならない手当などを除いた金額」を「月平均所定労働時間」で割って計算します。
計算式の例としては、以下のようになります。
月給÷月平均所定労働時間=1時間あたりの賃金
この金額が地域別最低賃金を下回っていないかを確認します。欠勤控除をした後の給与額だけを見るのではなく、最低賃金の計算対象となる賃金と労働時間を正しく把握することが重要です。
所定出勤日数が多い月に基本給を上回る場合の扱い
給与計算では、月によって所定労働日数が変動することがあります。そのため、「欠勤控除の計算に使った日割り額が、その月の実際の勤務日数によって基本給を超えてしまう」という状況が発生する場合があります。
しかし、月給制の場合は基本的に契約で定められた月額給与を基準に考えます。所定労働日数が多い月だからといって、通常の基本給を超えて支給する必要があるわけではありません。
例えば、月給25万円の従業員について、月の日数が多い月だからといって通常勤務だけで30万円になるような計算をする必要はありません。月給制では、あらかじめ決められた給与額を支給する仕組みだからです。
欠勤控除の計算方法は就業規則の確認が重要
欠勤控除の方法には、法律で一律に決められた計算式があるわけではありません。そのため、多くの企業では就業規則や賃金規程で欠勤控除の計算方法を定めています。
例えば、「月給を当月の所定労働日数で割る方法」「月平均所定労働時間で割る方法」「年間平均で計算する方法」など、会社によって扱いが異なる場合があります。
そのため、最低賃金を確認するときも、まず自社の賃金規程で欠勤控除の計算方法を確認し、その方法が最低賃金法に違反していないかを判断することが大切です。
給与計算で最低賃金違反を防ぐための注意点
給与担当者は、欠勤控除を行う際に単純に欠勤日数分を差し引くだけではなく、最終的な時間単価が最低賃金を下回っていないか確認する必要があります。
特に、月途中の入社・退職、長期欠勤、休職復帰、勤務日数が少ない月などでは通常とは異なる計算になるため注意が必要です。
例えば、月の大半を欠勤した従業員の場合、控除額の計算方法によっては実労働時間に対する給与額が想定より低くなる可能性があります。そのため、給与計算後に最低賃金チェックを行う仕組みを作ると安心です。
まとめ
欠勤控除によって給与が減額された場合でも、最低賃金を下回ることは認められません。ただし、確認する際は単純に欠勤後の給与額を見るのではなく、最低賃金の計算対象となる賃金と実際の労働時間を基準に判断することが重要です。
また、所定労働日数が多い月に欠勤控除の計算額が基本給を上回るように見える場合でも、月給制では契約された給与額を基準に考えます。
給与計算のトラブルを防ぐためには、就業規則や賃金規程に定められた欠勤控除方法を確認し、最低賃金を満たしているかを定期的にチェックすることが大切です。


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