企業研究や転職活動、就職先選びでよく参考にされる有価証券報告書の平均年間給与ですが、「この数字には工場勤務の社員や高卒社員も含まれているのか」「四季報の平均年収とは何が違うのか」と疑問に感じる人も少なくありません。
平均給与の数字は企業全体の待遇を判断する重要な指標ですが、集計対象や条件を理解しないと実際の社員の給与水準を誤って判断する可能性があります。この記事では、有価証券報告書と四季報の平均給与の違いや見る際の注意点について解説します。
有価証券報告書の平均年間給与はどの社員が対象なのか
有価証券報告書に記載されている平均年間給与は、基本的には企業が提出する有価証券報告書に記載された「従業員」の平均値です。対象となる範囲は会社ごとの記載基準によりますが、一般的にはその企業に所属する従業員全体を対象に算出されています。
そのため、総合職だけの平均ではなく、事務職、技術職、研究職、工場勤務の社員などが含まれるケースがあります。例えば製造業の場合、本社勤務の管理職や営業職だけではなく、製造現場で働く社員も含まれることがあります。
ただし、連結子会社の社員が含まれるか、親会社単体の社員だけなのかなどは企業によって異なるため、有価証券報告書の「従業員の状況」の項目を確認することが大切です。
工場勤務の高卒社員も平均給与に含まれるのか
製造業などの場合、工場で働く高卒社員も会社の従業員として集計対象になることが一般的です。そのため、有価証券報告書の平均年間給与には、現場社員の給与も反映される可能性があります。
例えば、大手メーカーでは総合職の大卒社員が高い給与水準で働く一方、工場の技能職社員や若手社員も多く在籍しています。そのため、全社員の平均値は、総合職だけの平均より低く出る場合があります。
一方で、平均給与は年齢構成や勤続年数にも左右されます。同じ企業でも、若手社員が多い会社とベテラン社員が多い会社では平均額が変わります。
会社四季報に掲載されている平均年収との違い
会社四季報に掲載されている平均年収も、基本的には企業が公表している有価証券報告書などの情報をもとにした数字です。そのため、「四季報だから総合職だけの平均」というわけではありません。
ただし、就職情報サイトや転職サイトなどで紹介される「総合職平均年収」「大卒総合職モデル年収」などは、特定の職種や条件に限定した数字である場合があります。
例えば、「入社10年目総合職の年収800万円」という情報と、有価証券報告書の「全従業員平均年収650万円」は、対象者が違うため単純比較できません。
平均年間給与を見るときに注意すべきポイント
平均年間給与を見る際は、数字だけでなく、その企業の従業員構成を確認することが重要です。平均値は一部の高所得者によって引き上げられることもあります。
例えば、管理職比率が高い企業では平均年収が高く見える場合があります。一方で、若手社員や現場社員が多い企業では、平均値が低めに出ることがあります。
また、平均給与には基本給だけでなく、賞与や各種手当が含まれる場合が多いため、月給の水準とは異なります。転職や就職で見る場合は、給与以外にも昇給制度や福利厚生などを合わせて確認するとよいでしょう。
有価証券報告書の平均給与を企業比較に使う方法
企業比較をする場合、有価証券報告書の平均年間給与は「会社全体としてどの程度の給与水準なのか」を見る指標として有効です。
ただし、「自分が入社した場合にも同じ金額がもらえる」という意味ではありません。新卒社員、若手社員、中途社員、管理職候補など立場によって給与は大きく変わります。
例えば、同じ平均年収700万円の企業でも、平均勤続年数が20年の会社と10年の会社では、給与の上がり方や社員層が異なる可能性があります。
まとめ|有価証券報告書と四季報の平均年収は対象範囲を理解して見ることが大切
有価証券報告書の平均年間給与は、基本的には企業全体の従業員を対象とした平均であり、工場勤務の社員や技能職社員などが含まれる場合があります。
また、四季報の平均年収も必ずしも総合職だけを対象にした数字ではなく、企業が公表した情報をもとにした平均値として見る必要があります。
企業の給与水準を正しく判断するには、平均年収だけを見るのではなく、従業員数、平均年齢、平均勤続年数、職種構成なども合わせて確認することが重要です。


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