ハラスメントで精神疾患になり退職した場合の対応方法|労災認定・離職票・利用できる制度を解説

退職

職場でのハラスメントが原因で精神疾患を発症し、退職を余儀なくされた場合、退職後に「自己都合退職になっているが問題ないのか」「労災として認めてもらうにはどうすればよいのか」と悩む人は少なくありません。

退職後でも、状況によっては会社や上司の対応について争うことや、労災申請、雇用保険上の扱いの変更、各種支援制度を利用できる可能性があります。この記事では、ハラスメントによる精神疾患で退職した場合に確認すべきポイントを詳しく解説します。

ハラスメントが原因の退職でも自己都合になることがある

退職時に会社へ提出する退職届では、本人が退職を申し出た場合に「自己都合退職」と扱われることが一般的です。しかし、実際の退職理由が職場環境やハラスメントによるものだった場合、必ずしも単純な自己都合として扱われるとは限りません。

雇用保険では、一定の事情がある退職について「特定理由離職者」などとして扱われる可能性があります。例えば、職場でのパワーハラスメント、長時間労働、精神的な負担による健康悪化などが認められる場合です。

そのため、離職票の内容だけで判断せず、ハローワークで退職理由について相談することが重要です。医師の診断書やハラスメントの証拠などが判断材料になる場合があります。

精神疾患が労災として認定される条件

仕事が原因でうつ病や適応障害などの精神疾患を発症した場合、労災(労働者災害補償保険)の対象になる可能性があります。

精神疾患の労災認定では、単に「仕事がつらかった」というだけではなく、発病前の業務による強い心理的負荷があったかどうか、医学的に精神障害を発症しているかなどが確認されます。

例えば、上司から継続的に人格を否定する発言を受けていた、過度な叱責や嫌がらせが続いていた、相談しても会社が対応しなかったなどの事情は、心理的負荷を判断する材料になる可能性があります。

労災申請をするために準備したい証拠

労災認定を目指す場合、ハラスメントや職場環境を示す資料を整理しておくことが大切です。

具体的には、上司からのメールやチャット履歴、録音データ、日記やメモ、同僚の証言、医療機関の診断書などが証拠になる場合があります。

例えば、「〇月〇日に上司からこの発言をされた」「その後、不眠や食欲低下が始まった」といった記録を時系列で整理しておくと、出来事と体調悪化の関係を説明しやすくなります。

退職後でも労災申請は可能なのか

労災申請は、退職した後でも行うことが可能です。退職したことで、過去の業務による災害補償を受ける権利がなくなるわけではありません。

ただし、時間が経過すると証拠の確認が難しくなる場合があります。そのため、退職後できるだけ早めに労働基準監督署へ相談し、必要な手続きを確認することが望ましいです。

労災の申請は本人が行うこともできます。会社が協力してくれない場合でも、労働基準監督署に相談することで手続きを進められる場合があります。

利用を検討できる国の制度や支援

精神疾患によって退職後の生活や再就職に不安がある場合、いくつか利用できる制度があります。

代表的なものとして、雇用保険の基本手当、傷病手当金、障害年金、精神障害者保健福祉手帳、自立支援医療制度などがあります。ただし、利用条件や申請先は制度ごとに異なります。

例えば、退職後すぐに働けない状態であれば、失業給付ではなく傷病手当金や受給期間延長制度の対象になる可能性があります。自分の状態に合った制度を確認することが大切です。

会社や上司へ責任を求める場合に必要な準備

ハラスメントについて会社や上司の責任を追及する場合、感情だけでなく、事実関係を整理することが重要です。

いつ、どこで、誰から、どのような行為を受けたのか、その結果どのような健康被害が発生したのかを整理しておくことで、弁護士への相談や会社との話し合いを進めやすくなります。

また、精神疾患に関する問題は法律や医学的な判断が関係するため、必要に応じて労働問題を扱う弁護士や労働相談窓口を利用することも選択肢になります。

まとめ|ハラスメントによる退職は一人で抱え込まず制度を確認する

職場のハラスメントによって精神疾患を発症し退職した場合、離職票が自己都合になっていても、それで全てが決まるわけではありません。

状況によっては雇用保険上の退職理由が変更される可能性や、労災として認定される可能性があります。そのため、診断書やハラスメントの証拠を整理し、専門機関へ相談することが重要です。

退職後の生活を守るためには、労災、雇用保険、医療制度など利用できる制度を確認し、自分の状況に合った支援を受けることが大切です。

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