経理は決算前に利益予想を経営者へ報告する?税理士に確認せず行う予測方法や実務を解説

会計、経理、財務

会社経営では、決算日を迎えてから利益が確定するだけでなく、途中経過から今期の利益を予測し、経営判断に役立てることがあります。では、実際の企業では経理担当者が税理士へ確認する前に利益予想を計算して経営者へ提示しているのでしょうか。この記事では、経理部門における利益予測の実務や、どのような方法で試算するのかについて解説します。

経理担当者が決算前に利益予想を作成する会社は多いのか

企業によって運用方法は異なりますが、決算前に利益予想を作成して経営者へ報告する会社は珍しくありません。

特に、ある程度規模のある企業や、毎月の業績管理を重視している会社では、月次決算を行い、その時点での利益状況や年間の着地予想を確認することが一般的です。

一方で、小規模な会社では税理士に帳簿をまとめてもらうタイミングで初めて利益状況を詳しく把握するケースもあります。そのため、「会社による」というのが実際のところですが、経営判断を早く行いたい企業ほど利益予測を重視する傾向があります。

経理が税理士に聞かずに利益予想を出すことはできるのか

経理担当者が税理士へ確認せずに利益予想を作成することは可能です。利益予測は、基本的には会社内部の売上や経費データをもとに計算するためです。

例えば、現在までの売上高、仕入額、人件費、家賃、広告費などを集計し、今後発生する予定の費用を加えることで、おおよその年間利益を予測できます。

ただし、税金計算や特殊な会計処理が関係する場合は税理士の判断が必要になることがあります。経理が作る利益予想は「経営判断用の予測」、税理士が確認するものは「税務上正確な利益計算」という役割の違いがあります。

実際の企業で行われる利益予測の方法

企業の経理部門では、以下のような方法で利益予測を行うことがあります。

方法 内容
月次実績から予測 現在までの売上や経費をもとに年間利益を計算する
予算比較 当初計画した予算と実績との差を確認する
前年比較 前年の業績を参考に今期の着地を予測する
部門別予測 部署や店舗ごとの数字を集計して予測する

例えば、10月時点で売上が前年より増えているものの、人件費や原材料費も上昇している場合、単純な売上増加だけではなく利益率まで考慮して予測します。

このような分析を行うことで、設備投資をするべきか、経費を抑えるべきか、新しい人材を採用できるかなど、経営者が判断しやすくなります。

税理士が作る利益予測と経理が作る利益予測の違い

経理担当者と税理士では、利益を見る目的が異なる場合があります。

経理担当者は、会社内部の状況を把握して経営判断を助けることを目的に利益予測を行います。そのため、多少概算であっても早い段階で数字を出すことが重要になります。

一方、税理士は決算書や申告書を正確に作成する立場です。節税対策や税務リスクの確認など、税金面から利益を見ることが多くなります。

例えば、「今期利益が500万円程度出そうなので設備投資を検討する」という経営判断では経理の速報値が役立ちます。一方、「法人税はいくらになるか」という場面では税理士の確認が重要になります。

利益予測を経営者へ報告する際に注意するポイント

利益予測を経営者へ伝える場合、確定した数字ではなく予測値であることを明確にすることが大切です。

売上の変動、予想外の修理費、賞与支給、税金計算などによって最終的な利益は変わる可能性があります。

そのため実務では、「現時点の予測では利益○万円の見込みですが、今後の費用発生によって変動します」といった形で報告することが多くあります。

まとめ

決算前に経理担当者が利益予想を作成し、経営者へ報告する会社は多く存在します。特に月次管理を重視する企業では、税理士の決算を待たずに内部で業績予測を行うことが一般的です。

ただし、利益予測の方法や税理士との関わり方は会社規模や経営方針によって異なります。経理が作る予測は経営判断のための数字、税理士が確認する数字は税務や決算の正確性を重視したものと考えると分かりやすいでしょう。

企業経営では、決算結果だけを見るのではなく、途中段階で利益の見込みを把握することで、より早い意思決定や適切な資金管理につなげることができます。

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