簿記論の直前予想問題では、税効果会計に関する繰延税金資産の算定が合否を分ける論点になることがあります。特に第三問の後T/B(後試算表)作成では、一時差異の把握や税率の適用、仕訳処理を正確に行う必要があります。この記事では、繰延税金資産の金額を求める際の基本的な考え方と、予想問題で対応するための確認ポイントを解説します。
繰延税金資産とは何かを理解する
繰延税金資産とは、会計上の費用や損失と税務上の損金算入時期が異なることで、将来税金が減少すると考えられる金額を資産として計上するものです。
簿記論では、税効果会計の問題として、会計上は費用として処理したものが税務上すぐには認められない場合などに登場します。
例えば、貸倒引当金や減価償却費、賞与引当金などは会計と税務で認識時期がずれる代表的な項目です。
後T/Bで繰延税金資産を求める基本手順
後T/Bで繰延税金資産を計算する場合は、まず一時差異の金額を把握することが重要です。
基本的な流れは以下の通りです。
① 会計上の帳簿価額と税務上の帳簿価額との差額(一時差異)を確認する
② 将来減算一時差異に該当する金額を計算する
③ 法定実効税率を掛けて繰延税金資産を算定する
計算式は以下になります。
繰延税金資産=将来減算一時差異×法定実効税率
具体例で見る繰延税金資産の計算方法
例えば、会計上で貸倒引当金を100万円計上しているものの、税務上は30万円しか認められていない場合を考えます。
この場合、会計上の費用と税務上の損金との差額は70万円になります。この70万円が将来減算一時差異です。
法定実効税率を30%とすると、繰延税金資産は以下のようになります。
70万円×30%=21万円
したがって、この場合の繰延税金資産は21万円になります。
直前予想問題で注意したい後T/Bのポイント
簿記論の第三問では、単純な計算だけでなく、問題文から税効果会計の対象となる項目を正しく見つける力が求められます。
例えば、引当金や減損損失などが登場した場合には、「会計上は認識済みだが税務上はまだ認められていない部分があるか」を確認することが重要です。
また、繰延税金資産は必ずしも全額計上できるとは限らず、将来の課税所得見込みなどによって回収可能性を判断する必要があります。
繰延税金資産の問題を解くための勉強方法
税効果会計の問題では、公式を暗記するだけでは対応が難しいため、「なぜ繰延税金資産になるのか」を理解することが大切です。
将来減算一時差異は、現在は税務上の費用にならないものの、将来税務上の費用として認められることで税金が減るものです。そのため資産として計上します。
直前期には、過去問や答練を利用して、問題文から一時差異を探す練習を繰り返すことで、本試験でも素早く判断できるようになります。
まとめ
簿記論の直前予想問題における繰延税金資産の計算では、まず一時差異を正しく把握することが重要です。
後T/Bの金額を求める場合も、単純に数字を追うのではなく、会計と税務の違いを確認し、将来減算一時差異×税率という流れで処理します。
税効果会計は頻出論点の一つなので、仕訳だけでなく計算の意味まで理解しておくことで、予想問題や本試験で安定して得点できる力につながります。


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