シフト制や変形労働時間制で働いている人の中には、5時間勤務の日と10時間勤務の日が混在しているケースがあります。そのような職場で有給休暇を取得する際、『長時間勤務の日ばかりに有休を使ってはいけない』『半々で取得してほしい』と言われることがあります。本記事では、勤務時間が異なる場合の有給休暇の考え方や会社側の指示が認められるケースについて解説します。
有給休暇は原則として労働者が取得日を指定できる
年次有給休暇は労働基準法で定められた権利であり、基本的には労働者が取得日を指定します。
会社には事業の正常な運営を妨げる場合に限り時季変更権がありますが、単純に『長時間勤務の日ばかり休まれると損だから』という理由だけでは認められないと考えられています。
有給休暇は本来、労働者の自由な休養や私生活の充実のために設けられた制度です。
5時間勤務と10時間勤務の日では何が違うのか
有給休暇は通常、『1日単位』で付与されます。
そのため、5時間勤務の日に取得しても10時間勤務の日に取得しても、有給休暇の消化日数はどちらも1日です。
例えば次のようなケースを考えてみましょう。
| 勤務日 | 勤務時間 | 有休消化 |
|---|---|---|
| 平日 | 5時間 | 1日 |
| 週末 | 10時間 | 1日 |
このため、多くの従業員は当然ながら勤務時間の長い日に有給休暇を取得した方が得だと感じます。
会社が『半々で取得してほしい』と言う理由
会社側がそのような運用を求める背景には、人件費やシフト運営の公平性を意識している場合があります。
特に変形労働時間制や特殊なシフト制度では、一部の従業員だけが長時間勤務日に集中して有休を取得すると不公平だと考える管理者もいます。
ただし、その考え方がそのまま法的根拠になるわけではありません。
就業規則や労使協定の内容を確認しよう
実際の運用は会社の制度によって異なります。
例えば、変形労働時間制や独自の有給管理方法が就業規則に定められている場合もあります。
まずは次の点を確認すると良いでしょう。
- 就業規則に有給取得方法の記載があるか
- 勤務時間が異なる日の有休計算方法
- 労使協定で特別な取り決めがあるか
- 過去に他の従業員がどのように取得していたか
制度上の根拠が曖昧なまま慣例だけで運用されているケースも少なくありません。
納得できない場合の相談方法
会社と対立する形で話すよりも、まずは制度確認として質問する姿勢がおすすめです。
例えば『就業規則上、有給取得日を半々にする規定はありますか』『勤務時間が異なる場合の有休運用について確認したいです』という聞き方であれば、冷静に話を進めやすくなります。
もし説明が曖昧だったり制度との整合性に疑問がある場合は、労働組合や労働局の総合労働相談コーナーなどへ相談する方法もあります。
まとめ
有給休暇は原則として労働者が取得日を指定する制度であり、5時間勤務の日も10時間勤務の日も通常は同じ『1日』として扱われます。
そのため、長時間勤務の日に有休を取得したいと考えること自体は自然な発想です。
ただし、会社独自の制度や勤務体系によって運用が異なる場合もあるため、まずは就業規則や社内ルールの根拠を確認することが大切です。納得できない場合は感情的にならず、制度面から説明を求める姿勢で相談してみましょう。


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