SS400とS50CをTIG溶接する際の溶接棒の選び方と予熱・後熱の基本

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SS400やS50Cのような炭素鋼をTIG溶接で接合する時に最も重要なのは、母材に適合した溶接棒(フィラー材)を選ぶことです。適切な溶接棒と溶接前後の熱処理の知識があれば、強度と品質の高い溶接が可能になります。

TIG溶接で使う溶接棒の基本

TIG(Tungsten Inert Gas)溶接は、不活性ガスの下でタングステン電極から発生するアーク熱で母材を溶かし、必要に応じて溶接棒を加える精密な溶接方法です。母材の種類に応じて溶接棒を選ぶ必要があります。:contentReference[oaicite:0]{index=0}

SS400やS50Cは炭素鋼(mild steel)の仲間であり、一般的なTIG用炭素鋼溶接棒が適しています。これらの溶接棒は母材と似た化学成分で設計され、溶接金属の強度や品質を確保します。:contentReference[oaicite:1]{index=1}

一般的に使われる溶接棒の種類

SS400やS50CのTIG溶接に適した溶接棒として最も一般的なものに ER70S-2ER70S-6 があります。これらは炭素鋼を溶接するための標準的なフィラー材で、溶接強度とビード形状のバランスが良い特性を持っています。:contentReference[oaicite:2]{index=2}

ER70S-2:炭素鋼用の代表的な溶接棒で、比較的軽微なスケールや不純物のある母材にも対応しやすい。:contentReference[oaicite:3]{index=3}

ER70S-6:シリコン/マンガン含有量が高く、滑らかで安定したビードを形成しやすい溶接棒です。:contentReference[oaicite:4]{index=4}

溶接棒の太さと使い分け

溶接棒の太さ(直径)は母材の厚さに応じて選ぶのが基本です。一般的には:

  • 薄板(〜3mm程度):1.6mm(1/16インチ)程度の細い溶接棒
  • 中厚板(3〜8mm程度):2.4mm(3/32インチ)程度
  • 厚板(8mm以上):3.2mm(1/8インチ)程度

このように、母材が薄いほど細い溶接棒を使うことで熱入力を抑え、過熱による歪みやビードの不整を防ぐことができます。:contentReference[oaicite:5]{index=5}

予熱・後熱は必要か?

SS400やS50Cのような中〜低炭素鋼では、基本的にTIG溶接での高い予熱温度は不要なことが多いです。これらの材料は比較的溶接しやすい炭素鋼であり、適切な溶接条件とフィラー材を使えば熱ひずみや割れを避けられます。:contentReference[oaicite:6]{index=6}

ただし:

  • 厚板(特に10mm以上など)を溶接する場合
  • 複雑な形状で熱が集中しやすい部位

では軽い予熱(100〜150℃程度)や後熱をかけることで熱ひずみやひび割れのリスクを低減できる場合があります。ただし、これはケースバイケースで、設計や作業手順に合わせて判断する必要があります。

実務での注意点

・母材は必ず油分やサビを除去しておくこと。これはTIG溶接では特に重要であり、アークの安定と溶接品質に直接影響します。:contentReference[oaicite:7]{index=7}

・溶接中はシールドガス(通常は100%アルゴン)を十分に供給し、溶接部を大気から遮断して酸化を防ぎます。:contentReference[oaicite:8]{index=8}

まとめ

SS400やS50Cなど炭素鋼のTIG溶接では、ER70S-2ER70S-6 のような炭素鋼用溶接棒が基本的な選択肢です。母材の厚さや用途に応じて溶接棒の太さを調整し、必要に応じて軽い予熱・後熱を検討することで、強度と品質の高い溶接を実現できます。

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