獣医療の現場では、SID(1日1回)、BID(1日2回)、TID(1日3回)、EOD(2日に1回)などの略語が日常的に使用されています。一方で、人間の医療従事者に聞いても知らないと言われることがあり、「本当に医療現場では使われていないのか?」と疑問に感じる方も少なくありません。この記事では、獣医療と人間の医療における投薬指示用語の違いについて解説します。
SID・BID・TIDとは何を意味するのか
これらはラテン語由来の略語で、投薬頻度を簡潔に表現するために用いられます。
| 略語 | 意味 |
|---|---|
| SID | 1日1回 |
| BID | 1日2回 |
| TID | 1日3回 |
| QID | 1日4回 |
| EOD | 2日に1回 |
獣医療ではカルテや処方指示、院内コミュニケーションにおいて一般的な表記として定着しています。
人間の医療でも歴史的には使われていた
実はBIDやTIDなどのラテン語略語は、人間の医療でも古くから使用されてきました。
海外の医学書や英語圏の処方箋では現在でも見られることがあります。しかし近年は医療安全の観点から、略語による誤読や解釈ミスを防ぐため、使用を控える流れが強まっています。
そのため、日本の医療現場では若い医師や看護師がこれらの略語を知らないケースも珍しくありません。
なぜ日本の医療現場ではあまり使われないのか
人間の医療では処方箋が患者本人や薬剤師、多職種スタッフなど多くの人の目に触れます。
そのため「1日3回毎食後」「朝夕2回」など、日本語で明確に記載する方法が主流になっています。
また電子カルテやオーダリングシステムの普及により、略語ではなく標準化された選択肢を使用する施設が増えています。
薬剤師はSIDやBIDを知っているのか
薬剤師の中には、大学教育や海外文献の読解を通じてBIDやTIDなどを知っている人が少なくありません。
特に病院薬剤師や臨床薬理学を学んだ薬剤師であれば理解できることが多いでしょう。
ただし日常業務で頻繁に使用するかというと別で、日本国内の調剤業務では「1日○回」という表現が一般的です。
獣医療で現在も広く使われる理由
獣医療では英語圏の文献や薬剤情報を参照する機会が多く、ラテン語由来の略語が自然に受け継がれてきました。
また比較的少人数の医療チーム内で運用されることが多く、用語の共通認識が得られやすいことも理由の一つです。
そのためSIDやBIDは現在でも獣医療業界では実用的な標準表記として機能しています。
まとめ
SID・BID・TID・EODといった略語は、もともと人間の医療でも使用されていたラテン語由来の投薬指示用語です。
しかし日本の医療現場では医療安全や標準化の観点から使用頻度が低下し、日本語表記が主流となりました。一方で獣医療では現在も広く活用されており、同じ医療分野でも用語文化に違いが見られる興味深い例といえるでしょう。


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