建設業経理士1級の財務分析では、第3問の経営分析指標で急に手が止まってしまう受験者が非常に多いです。
特に第32回試験では、「金利負担能力7.00倍までは出せたけれど、その後の数値が導けない」という声も少なくありません。
しかし、これは知識不足というよりも、「どの数字をどこから拾うか」が整理できていないケースがほとんどです。
この記事では、建設業経理士1級財務分析の第3問でつまずきやすい理由と、分析指標を導くコツを初心者にもわかりやすく解説します。
第3問で混乱しやすい理由
第3問では、単純な公式暗記だけでは対応しづらくなります。
理由は、
- 貸借対照表
- 損益計算書
- 完成工事原価報告書
- 注記
など、複数資料を横断して数字を拾う必要があるからです。
そのため、「公式は覚えているのに数字が入らない」という状態が起きやすくなります。
財務分析は“公式暗記試験”ではなく、“資料の読み取り試験”に近いです。
金利負担能力だけ解ける人が多い理由
金利負担能力は比較的シンプルで、営業利益や受取利息・支払利息の位置が分かりやすいため、最初に取れる人が多い指標です。
一般的には、
営業利益÷支払利息
の形で求めます。
そのため、損益計算書から直接拾いやすく、計算ミスも少なくなります。
一方で、他の指標は「平均残高を使う」「分母分子が似ている」「建設業独特の勘定科目が混ざる」ため、一気に難しく感じやすくなります。
まずは「どの分類の指標か」を整理する
第3問では、指標を丸暗記するよりも、「その指標が何を見るものか」を整理した方が得点しやすくなります。
| 分類 | 見る内容 |
|---|---|
| 収益性分析 | 利益を出せているか |
| 安全性分析 | 倒産リスクは低いか |
| 効率性分析 | 資産を効率よく使えているか |
| 生産性分析 | 人や資本が成果を出しているか |
これを整理するだけでも、「この数字を使いそう」という感覚がかなり掴みやすくなります。
数字が出ない時は「分母」を確認する
建設業経理士1級の財務分析では、分母を間違えるケースが非常に多いです。
例えば、
- 完成工事高を使うのか
- 総資本を使うのか
- 自己資本を使うのか
で答えが変わります。
また、「平均総資本」を使う問題では、期首と期末を平均する必要があります。
この処理を忘れると、計算自体は合っていても数値が一致しません。
“どの利益を、どの資本で割るのか”を確認する癖が重要です。
建設業特有の勘定科目に慣れる
建設業経理士の特徴として、一般的な簿記試験にはない勘定科目が多く登場します。
例えば、
- 完成工事未収入金
- 未成工事支出金
- 完成工事高
- 完成工事原価
などです。
最初は混乱しますが、「売上」「売掛金」「仕掛品」の建設業版だと思うと理解しやすくなります。
つまり、名称に惑わされず、“役割”で理解することが大切です。
おすすめの勉強法
公式を分類ごとに覚える
バラバラに暗記するより、「安全性分析だけまとめる」など分類学習がおすすめです。
問題用紙に線を書く
資料のどこを使ったかを線で繋ぐと、数字の流れが整理しやすくなります。
解説を“読むだけ”にしない
解説を見ながら、自分で実際に数字を書き込むと定着しやすくなります。
本試験では「全部解けない前提」でOK
建設業経理士1級は満点勝負ではありません。
特に財務分析は、難問が混ざる回もあります。
そのため、
- 確実に取れる指標を落とさない
- 資料の読み間違いを減らす
- 部分点を狙う
という意識が非常に大切です。
金利負担能力を正確に出せている時点で、基礎理解はかなりできています。
まとめ
建設業経理士1級財務分析の第3問で数字が導き出せない原因は、多くの場合「公式暗記不足」ではなく、「資料の読み取り」と「分母分子の整理不足」です。
特に第32回のような問題では、
- どの利益を使うか
- どの資本を使うか
- 平均値を使うか
を落ち着いて確認することが重要になります。
金利負担能力7.00倍を出せているなら、分析の基本はできています。
あとは、問題演習を通して「どこから数字を拾うか」の感覚を身につけることで、他の指標も安定して解けるようになります。


コメント