スーパーでおなじみの「Q・B・Bチーズ」を販売している六甲バター株式会社。現在はチーズ製品のイメージが強い企業ですが、「なぜ“バター”という社名のままなの?」と疑問に感じたことがある人も多いのではないでしょうか。
実際、六甲バターは現在ほぼチーズ関連商品を中心に展開しており、一般消費者からすると「六甲チーズ」にした方が分かりやすいようにも見えます。
しかし、企業が社名を変更しないのには、単なる慣習だけではない深い理由があります。この記事では、六甲バターが社名を維持している背景や、企業名を変える難しさ、ブランド戦略について詳しく解説します。
六甲バターはもともとバターを扱っていた会社
まず知っておきたいのは、六甲バターという社名は“昔の事業内容”に由来しているという点です。
六甲バター株式会社は1948年に設立され、当時はバターや乳製品の加工・販売を行っていました。
現在では「Q・B・Bチーズ」の印象が非常に強いですが、創業当初はチーズ専業企業ではありませんでした。
つまり、「バター」という名前は会社の歴史そのものでもあります。
長年使われてきた社名には、企業の信用や歴史が積み重なっています。
なぜ今でも社名を変えないのか
では、現在チーズ中心なのに、なぜ社名変更しないのでしょうか。
理由はいくつかあります。
① 社名自体がブランドになっている
六甲バターは長年にわたり食品業界で認知されてきました。
特に業界関係者や取引先、株主にとっては、「六甲バター」という名前そのものが信用の証になっています。
企業名は単なる名称ではなく、“ブランド資産”でもあります。
例えば、
- 銀行との取引
- 株式市場での知名度
- 企業間契約
- 長年の顧客認知
など、多くの場面で社名は重要な役割を持っています。
② 商品ブランドは別に存在している
実際、消費者が覚えているのは「六甲バター」という社名より、「Q・B・Bチーズ」である場合が多いです。
つまり、消費者向けブランドは既に確立されているため、無理に会社名を変更する必要性が低いとも言えます。
これは食品業界では珍しくありません。
例えば企業名と商品ブランドが違うケースは多く、消費者は商品名だけ覚えていることもよくあります。
③ 社名変更にはコストとリスクがある
企業が社名変更するには、大きなコストがかかります。
| 変更対象 | 内容 |
|---|---|
| 会社登記 | 法的手続きが必要 |
| ロゴ・看板 | 全国規模で変更 |
| 商品資料 | 印刷物やサイト修正 |
| 取引先対応 | 契約書類などの更新 |
さらに、社名変更によって「どこの会社?」と認知がリセットされるリスクもあります。
そのため、現状で問題なく経営できているなら、無理に変えない企業も多いです。
実は“名前と事業内容が違う会社”は多い
六甲バターに限らず、現在の事業内容と社名が一致していない企業はたくさんあります。
例えば、
- 日本電信電話 → 通信以外も展開
- 東京急行電鉄 → 鉄道以外の不動産事業も巨大
- ブリヂストン → タイヤ以外の事業も多数
などがあります。
企業は長い歴史の中で事業内容が変化していくため、“創業時の名前”がそのまま残ることは珍しくありません。
社名は「今やっている仕事」だけでなく、「会社の歴史」も表しています。
逆に社名変更する企業もある
もちろん、事業転換に合わせて社名変更する企業もあります。
特に、
- 旧イメージを変えたい
- 海外展開を強化したい
- 事業内容が大きく変わった
といった場合には、社名変更が行われることがあります。
例えば、
- 松下電器産業 → パナソニック
- ヤフー株式会社 → LINEヤフー
などは有名です。
ただし、これはかなり大きな経営判断になります。
六甲バターは“Q・B・Bブランド”が強い
現在の六甲バターは、会社名よりも「Q・B・B」というブランドが圧倒的に有名です。
スーパーでも、消費者は「QBBのベビーチーズ」「QBBのチーズデザート」と認識しているケースがほとんどです。
つまり企業としては、
- 会社名=六甲バター
- 消費者向けブランド=Q・B・B
という役割分担ができています。
そのため、「六甲バター」という名前が多少事業内容とズレていても、大きな問題になりにくいのです。
社名は合理性だけで決まらない
一見すると、「チーズ会社なのだから社名変更した方が分かりやすい」と思うかもしれません。
しかし実際の企業経営では、
- 歴史
- ブランド価値
- 信用
- 取引関係
- 知名度
など、多くの要素が絡みます。
そのため、“今の事業内容だけ”で社名を決めるわけではありません。
むしろ長年続く企業ほど、「昔の名前」を残しているケースは多いです。
まとめ
六甲バターが現在も社名を変更していないのは、単に変えていないのではなく、長年築いてきたブランドや信用を重視しているためです。
現在はチーズ中心の企業ですが、
- もともとはバター事業も行っていた
- 社名自体がブランドになっている
- Q・B・Bブランドが既に定着している
- 社名変更には大きなコストとリスクがある
といった背景があります。
企業名は単なる“商品説明”ではなく、歴史や信頼の積み重ねでもあります。そのため、現在の事業内容と完全一致していなくても、あえて変更しない企業は少なくありません。


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