製造間接費の配賦については、固定費と変動費を分けて理解することが重要です。清水先生の書籍では、固定費と変動費の配賦率の考え方を例示して説明していますが、変動費率は必ずしも常に一定とは限りません。
固定費と変動費の基本
固定費とは、操業度が変化しても一定額しか発生しない費用です。代表例として工場建屋や機械設備の減価償却費があります。一方、変動費は操業度に比例して発生する費用で、直接作業時間や使用電力などが増えれば費用も増加します。
変動費率の理論上の一定性と現実
書籍の例では、変動費率1時間あたり2,000円としていますが、これは単純化した計算モデルです。実際には機械ごとに消費電力や間接材料費の差があるため、C機械の生産をやめた場合など、変動費率は完全に一定ではなく、実際の変動費の合計から再計算する必要があります。
配賦率の変動と安定化
固定費は総額が一定なので、操業度が少なくなると1時間あたりの配賦率は上昇します。このため、生産量や作業時間によって製造間接費の配賦額が変動し、コスト計算が不安定になる問題があります。清水先生が示す予定配賦率の使用は、この変動を平準化するための手法です。
具体例での理解
例として、固定費2,000,000円、変動費1,000,000円、総作業時間500時間のとき、変動費率は2,000円/時間、固定費率は4,000円/時間になります。C機械の生産がなくなり、総作業時間が380時間になると、変動費は2,000円×380時間=760,000円となりますが、固定費2,000,000円は変わらないため、配賦率は7,263円/時間に上昇します。ここでの変動費率2,000円はあくまで平均値であり、機械ごとの個別差を反映しているわけではありません。
まとめ
清水先生の例は、製造間接費の配賦を理解するためのモデルとして用いられています。変動費率は理論上は1時間あたり一定として計算できますが、実際の生産では機械や作業内容に応じて変化します。固定費は総額が一定であるため、配賦率の安定化には予定配賦率の使用が望ましいことを理解しておくとよいでしょう。


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