M&Aにおける取締役会決議と株主総会決議の基本知識【会社法でわかる手続き】

企業法務、知的財産

M&A(合併・事業譲渡・株式売買など)は会社の組織や経営に大きな影響を与える重要な取引です。そのため、どのような意思決定が必要で、どの段階で取締役会や株主総会の決議が求められるのかを理解することが欠かせません。

M&Aにおける意思決定の基本フロー

M&Aの検討段階ではまず取締役会が内部での承認を行い、交渉や契約締結に進むことが一般的です。取締役会は会社の業務執行に関する意思決定機関であり、重要な取引の承認が必要とされます。

次に、取締役会で承認された内容に基づき株主総会を開催し、必要な承認を得ることになる場合があります。特に会社法で定められた重要事項については、株主の承認が不可欠です。

取締役会決議が必要な場面

取締役会は会社の重要な業務執行全般を決議する権限を有します。M&Aにおいても、M&A契約の締結や事業譲渡の実施を決定する初期段階では取締役会の決議が求められることが一般的です。

例えば、事業譲渡を行う場合、取締役会設置会社であれば「事業譲渡を行う」という意思決定自体を取締役会で議決します。この決議は契約締結前に行われます。[参照]

株主総会決議が必要なM&Aのケース

会社法では、合併や会社分割、株式交換などの組織再編行為に伴う契約については株主総会の承認が必要です。これらは会社経営や株主の権利に重大な影響を与えるため、特別決議(出席株主の3分の2以上の賛成)が要件となっています。[参照]

実務上、事業譲渡のような取引でも「全部または重要な一部」の譲渡となる場合には株主総会決議が必要になることが多く、定款や会社の規模、譲渡内容に応じて必要性が変わります。[参照]

株式譲渡(一部株式の売買)の場合

株式譲渡(オーナー株式の売買)については、一般的には株主総会決議は不要ですが、定款で譲渡制限が設けられている場合や「重要資産の譲渡」に該当するケースでは取締役会の承認が必要になります。また、一定割合の株式移動で影響が大きい取引では株主総会の承認要件が定められていることもあります。[参照]

まとめ

M&Aにおいては、取締役会の決議と株主総会の決議の両方が登場します。取締役会決議はM&Aの検討・契約承認段階で重要な役割を果たし、株主総会決議は合併・会社分割・重要な事業譲渡などの重要事項に対して法的に求められます。

具体的な要件は会社の規模や取引内容によって異なる場合があるため、実務では会社法に基づく定款規定の確認や専門家の助言を踏まえた手続きが重要です。

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