土木工事において、マンホールやその他の製品を掘削孔内に正確に据え付けるための墨出しは、非常に重要な作業です。特に、地上のアスファルト上での墨出し方法とは異なり、土止め矢板が飛び出ている状態での墨出しには工夫が必要です。この記事では、トータルステーションを使用した墨出し方法をはじめ、掘削孔内のベースコンクリートに墨出しを行う際のいくつかのアプローチについて解説します。
掘削孔内の墨出し方法とは？
掘削孔内における墨出し作業は、基準となる位置を確実にマークすることで、製品が正確に据え付けられるようにするための重要な作業です。通常、トータルステーションを使って地上からアスファルト上で墨出しを行うことは可能ですが、掘削孔内での作業には別の工夫が求められます。
トータルステーションを活用した墨出し方法
トータルステーションを使用して掘削孔内に墨出しを行う方法は、まず地上でアスファルト面に基準点を設置し、その点から孔内の位置を計測するというものです。この方法であれば、地上からの基準をしっかりと捉えつつ、掘削孔内に正確な位置を転送することができます。
ただし、掘削孔内に土止め矢板がある場合、これが障害物となり、トータルステーションでの直接測定が難しくなることがあります。そこで、土止め矢板を避けるために、計測機器の位置を変更する必要があります。
ベースコンクリートに墨出しするための工夫
掘削孔内のベースコンクリートに墨出しをする場合、まずそのベースとなるコンクリート面に対して基準となる高さを測定し、そこから墨出しの基準を設置します。土止め矢板が飛び出ている状態であれば、矢板の外側に測定器を配置し、計測を行います。
また、トータルステーションの精度が重要であり、適切な位置に設置した後は、反射器を使用して正確に距離を測定することが求められます。この際、反射器の位置に注意し、ベースコンクリートの面に対して平行に配置することが必要です。
代替手段：レーザーレベルを用いた方法
トータルステーションを使った方法以外にも、レーザーレベルを活用することができます。レーザーレベルは、水平・垂直を正確に測定できるため、掘削孔内でも非常に有効です。地上での測定と同様に、レーザーレベルを利用することで、狭い範囲や障害物がある中でも確実に墨出しを行うことができます。
レーザーを使って基準ラインを確定し、そのラインを掘削孔内のベースコンクリートに投影します。この方法により、非常に精度の高い墨出しが可能となります。
墨出し時の注意点とポイント
墨出し作業においては、精度が非常に重要です。特に掘削孔内での作業は、周囲の条件や機器の配置が影響を及ぼすため、以下の点に注意しましょう。
- 土止め矢板など、障害物の配置を事前に確認し、機器の設置場所を調整する。
- トータルステーションやレーザーレベルの精度が十分であるか確認する。
- 測定器の高さや角度を適切に設定し、ベースコンクリートに対して正確に照準を合わせる。
まとめ
掘削孔内の墨出し作業は、トータルステーションやレーザーレベルを活用することで、精度よく行うことができます。特に土止め矢板が飛び出している状態では、計測機器の設置場所や角度を調整し、障害物を避けるよう工夫が必要です。適切な方法を選び、確実な墨出しを行うことで、後続の作業がスムーズに進行することが期待できます。
コメント