派遣社員として働いていると、契約更新のタイミングで「もう続けたくない」と感じることもあるでしょう。しかし、更新しない旨を伝えたのに辞めさせてもらえない、最終日に出勤しないでよいのか不安、といった声も少なくありません。この記事では、契約満了で退職する際の正しい対応や注意点について詳しく解説します。
派遣契約は期間満了が原則
派遣社員の契約は基本的に「有期雇用契約」であり、契約期間が定められています。つまり、あらかじめ決まっている満了日をもって自然終了するのが原則です。そのため、更新を希望しない場合は、更新前に「契約を更新しない」と伝えておけば、法的には問題なく退職が成立します。
ただし、満了日まで勤務するのが建前です。たとえ辞めると伝えていても、満了日前に無断で欠勤すると「契約違反」となり、トラブルになるおそれがあります。
「辞めさせてくれない」の背景とは
実際には、派遣先や派遣会社が人手不足などを理由に、引き留めや曖昧な対応をすることがあります。「辞めるのは困る」「まだ確定ではない」と言われると不安になるかもしれませんが、書面またはメールなど記録が残る形で「更新しない旨」を伝えていれば、それ以上の拘束力はありません。
どうしても不安な場合は、派遣会社の労務担当やコーディネーターに「契約満了日で終了することを再確認したい」と連絡しておくと安心です。
最終日に出勤しないのはOK?
満了日が契約の最終日である以上、その日も就業日として設定されているなら、原則として出勤する義務があります。もしその日がシフトに含まれていない、または事前に「最終出勤日は○日」と合意しているのであれば、出勤しなくても問題はありません。
トラブルを避けるためには、最終出勤日を派遣元・派遣先と明確に確認しておくことが重要です。たとえば、「○日が最終日ですが、その日も勤務に入る予定ですか?」と具体的に尋ねるとよいでしょう。
派遣社員が守るべきルールとマナー
たとえ契約を更新しない場合でも、最終日までは誠実に業務にあたることが社会人としてのマナーです。無断欠勤や突然の連絡なしの退職は、今後の仕事紹介にも悪影響を与えかねません。
また、制服や貸与物がある場合は、返却手続きも忘れずに行いましょう。最終日までに退職のあいさつや引き継ぎを済ませておくと、良好な関係を保ったまま円満に退職できます。
実例:更新しないと伝えたのに引き留められたAさんのケース
Aさんは製造工場で働いていましたが、派遣契約の満了をもって退職することを1か月前に伝えました。しかし、派遣会社から「まだ後任が見つかっていないので続けてほしい」と再三連絡があり、不安に。そこでAさんは、契約書の終了日と更新しない旨を再度メールで通知し、その後はスムーズに最終日を迎えることができました。
このように、書面での記録を残すことが安心材料になります。
まとめ:派遣終了は事前の確認と記録がカギ
派遣契約の終了は、「契約満了=自然退職」という原則を理解しておくことが大切です。「辞めさせてくれない」と感じた場合でも、法的には強制力はありません。ただし、満了日までしっかり勤務し、派遣会社や派遣先との最終確認を怠らないことが、円満な退職につながります。
退職時は感情的にならず、冷静に対応しながら、次のステップへスムーズに進みましょう。