建設現場では、吊り上げ作業に使用する機械として移動式クレーンやクレーン仕様バックホウなどが活躍しています。しかし、「小型移動式クレーン」と「移動式クレーン」は名前が似ているため、必要な資格や作業範囲の違いが分かりにくい場合があります。
特にクレーン仕様バックホウ(0.7クラス)で荷を吊る作業を行う場合、どの資格が必要なのか迷う方も少なくありません。
この記事では、小型移動式クレーンと移動式クレーンの違いや、クレーン仕様バックホウを使用する際に確認すべき資格・条件について、現場作業で役立つように分かりやすく解説します。
小型移動式クレーンと移動式クレーンの基本的な違い
小型移動式クレーンと移動式クレーンの大きな違いは、吊り上げることができる荷重によって区分されている点です。
一般的に「移動式クレーン」とは、原動機を使用して走行できるクレーンのことで、トラッククレーン、ラフテレーンクレーン、クレーン付きトラックなどが含まれます。
一方、小型移動式クレーンは移動式クレーンの中でも吊り上げ能力が限定された機械を指します。資格制度上では、吊り上げ荷重が5トン未満の移動式クレーンを扱うための技能講習が用意されています。
資格による区分と必要な免許・技能講習
移動式クレーンを操作するためには、吊り上げ荷重によって必要な資格が変わります。
| 吊り上げ荷重 | 必要な資格 |
|---|---|
| 1トン未満 | 特別教育 |
| 1トン以上5トン未満 | 小型移動式クレーン技能講習 |
| 5トン以上 | 移動式クレーン運転士免許 |
例えば、吊り上げ荷重2.5トンのクレーンを操作する場合は、小型移動式クレーン技能講習修了者であれば操作できます。しかし、吊り上げ荷重5トン以上の移動式クレーンを操作する場合は、移動式クレーン運転士免許が必要になります。
なお、クレーン操作の資格とは別に、荷を掛ける作業を行う場合は玉掛け技能講習などが必要になる場合があります。
クレーン仕様バックホウ(0.7)の場合に必要になる資格
クレーン仕様バックホウとは、本来掘削作業を行うバックホウに、荷を吊るためのフックや安全装置などを装備した機械です。
例えば0.7クラスのバックホウの場合、機械の大きさだけを見ると大型クレーンのように感じますが、必要な資格は機械の重量ではなく、クレーンとして使用する際の吊り上げ能力によって判断されます。
つまり、クレーン仕様バックホウで荷を吊る作業を行う場合は、その機械に設定されている吊り上げ荷重を確認し、その荷重に対応した移動式クレーン関係の資格が必要になります。
クレーン仕様バックホウは建設機械の運転資格だけでは不十分な場合がある
バックホウの運転には車両系建設機械運転技能講習などがありますが、掘削作業用の資格だけではクレーン作業を行えない場合があります。
例えば、普段は土を掘るために0.7バックホウを操作している作業員でも、フックを使用して資材や配管などを吊り上げる場合は、クレーン作業として扱われます。
そのため、現場では「バックホウを運転できる資格」と「クレーンとして吊り作業を行う資格」を分けて確認する必要があります。
実際の現場で注意したいクレーン作業のポイント
クレーン仕様バックホウによる吊り作業では、資格だけでなく安全管理も重要です。吊り上げ能力を超えた荷物を扱うことは転倒や機械破損につながる危険があります。
例えば、重量が分からないコンクリート製品や鋼材を吊る場合は、事前に重量を確認し、作業半径や地盤条件も考慮する必要があります。
また、メーカーが定めたクレーンモードで使用することや、定格荷重を守ることも重要な安全対策です。
小型移動式クレーンと移動式クレーンを選ぶときの確認方法
必要な資格を判断する際は、「機械の大きさ」だけで判断するのではなく、クレーンとして使用する時の吊り上げ荷重を確認することが大切です。
クレーン仕様バックホウの場合も、機種によって吊り上げ能力が異なるため、機械本体の仕様書やメーカー資料で確認する必要があります。
現場で迷った場合は、施工管理者や安全管理担当者、メーカーなどに確認し、適切な資格を持った作業員が作業を行うことが安全につながります。
まとめ
小型移動式クレーンと移動式クレーンの違いは、主に吊り上げ荷重による区分です。1トン以上5トン未満のクレーン作業では小型移動式クレーン技能講習、5トン以上では移動式クレーン運転士免許が必要になります。
クレーン仕様バックホウ(0.7)で吊り作業を行う場合も、バックホウの運転資格だけではなく、クレーンとしての吊り上げ能力に応じた資格が必要になることがあります。
安全な作業を行うためには、使用する機械の仕様と必要資格を事前に確認し、適切な知識を持った作業員が作業を行うことが重要です。


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