基礎看護学実習IIでは、初めて患者さんを受け持ち、情報収集や看護記録の作成、関連図の作成などに取り組むため、不安を感じる学生も多くいます。特にヘンダーソンの14の基本的欲求を使ったアセスメントや関連図を、いつまでに完成させればよいのか迷うことがあります。
実習では限られた時間の中で患者さんを理解し、必要な看護を考える力が求められます。そのため、記録は一度で完成させるものではなく、情報を集めながら少しずつ深めていくことが大切です。
この記事では、基礎看護学実習IIにおける記録作成の流れ、ヘンダーソン14項目や関連図を完成させるタイミング、効率よく進めるコツについて解説します。
基礎看護学実習IIの記録はいつ完成させるものなのか
実習記録を完成させる時期は学校や実習施設によって異なります。そのため、「必ず臨床1日目の夜までに全て完成させなければならない」という決まりが全国共通であるわけではありません。
多くの場合、実習初日は患者さんの情報収集が中心になります。疾患名や治療内容だけでなく、生活背景、身体状態、心理面などを把握する必要があるため、初日だけで十分なアセスメントを完成させることは難しいです。
ただし、実習初日から記録作成に必要な情報を整理しておくことは重要です。後回しにすると情報が不足したり、記憶が曖昧になったりするため、その日のうちに整理する習慣をつけるとよいでしょう。
ヘンダーソンの14の基本的欲求は段階的に埋めていく
ヘンダーソンの14項目は、患者さんを身体面だけでなく生活者として理解するための視点です。実習では、最初からすべての項目が埋まることは少なく、患者さんとの関わりや観察を通して情報を追加していきます。
例えば、「正常に呼吸する」という項目では、呼吸状態や酸素療法の有無だけでなく、呼吸に影響する疾患、日常生活への影響なども考えます。
また、「食べる・飲む」「排泄する」「眠る」などの項目も、カルテ情報だけでは分からない部分があります。患者さんとの会話や援助場面から得られる情報を加えることで、より深いアセスメントになります。
関連図は患者理解が進むにつれて修正するもの
関連図は、一度作ったら終わりではなく、患者さんの状態を整理するために何度も修正していくものです。最初に作成した関連図は情報不足であることが多いため、実習が進むにつれて内容を追加していきます。
例えば、糖尿病の患者さんの場合、疾患名だけを書いて終わりではありません。血糖コントロール不良の原因、食生活、運動習慣、服薬状況、心理状態などを関連付けて考える必要があります。
初日の夜に作成する場合は、完成版を作るというよりも、現時点で分かっている情報を整理して、今後確認すべきことを明確にするという考え方が大切です。
実習1日目の夜に優先して行うべきこと
実習初日は疲労も大きく、すべての記録を完璧に仕上げようとすると負担が大きくなります。まずは、翌日の看護計画につながる情報整理を優先しましょう。
具体的には、患者さんの基本情報、主な疾患、現在行われている治療、ADL、本人の思いや生活背景などを整理すると、次の日の観察や援助につながります。
また、指導者から求められている提出物や期限を確認することも重要です。学校によって記録の提出タイミングが異なるため、自分の判断だけで期限を決めないようにしましょう。
基礎看護学実習IIで記録を効率よく進めるコツ
記録を効率よく進めるためには、実習中からメモを整理することが大切です。患者さんとの会話や観察で得た情報は、その場では覚えていても後から忘れてしまうことがあります。
例えば、「食事摂取量が少ない」という情報だけではなく、「食欲がない理由」「食事に対する患者さんの発言」「食事動作で困っていること」など、具体的な内容を記録するとアセスメントしやすくなります。
また、分からない部分を無理に埋めるのではなく、「追加で確認する情報」として残しておくことも大切です。看護記録は正確な情報をもとに患者理解を深めるためのものだからです。
指導者から評価される記録とは
実習記録で大切なのは、早く完成させることだけではありません。患者さんの情報を根拠を持って整理し、看護につなげて考えられているかが重要です。
例えば、「歩行が不安定」という事実だけではなく、「筋力低下や疼痛が影響している可能性がある」「転倒リスクにつながるため環境調整が必要」と考えることで、看護学生としての視点が表れます。
記録は評価されるためだけではなく、自分自身が患者さんに必要な援助を考えるためのツールです。完璧な文章を早く書くことよりも、患者理解を深める過程を大切にしましょう。
まとめ
基礎看護学実習IIのヘンダーソン14項目や関連図は、必ずしも臨床1日目の夜に完全完成させるものではありません。実習を通して情報を集め、修正しながら完成度を高めていくものです。
ただし、初日の情報整理はその後の実習をスムーズに進めるために重要です。その日に得た情報をまとめ、分からない部分を明確にしておくことで、翌日の患者理解につながります。
実習では記録を完成させることだけを目的にせず、患者さんを理解し、根拠のある看護を考える過程を大切にすることが、看護学生として成長するポイントになります。


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