警察官は誰でもなれる仕事なのか?採用試験・適性・警察学校から仕事内容までわかりやすく解説

職業

警察官について、インターネット上では「誰でもなれる仕事」といった表現を目にすることがあります。しかし、警察官になるためには採用試験を受けるだけでなく、一定の受験資格や身体に関する基準等を満たし、採用後には警察学校で必要な教育・訓練を受けなければなりません。また、実際の職務では法律知識、判断力、コミュニケーション能力、体力など幅広い能力が求められます。警察という組織への評価と、警察官になるための条件や仕事の難しさは分けて考えることが重要です。

警察官は「希望すれば誰でもなれる」わけではない

日本の警察官には、都道府県警察の警察官や警察庁で勤務する警察官などがあり、採用の仕組みも一つではありません。多くの人がイメージする都道府県警察の警察官になる場合、各都道府県などが実施する採用試験を受験し、合格して採用される必要があります。

採用試験では、筆記試験だけで決まるわけではありません。具体的な内容は採用区分や警察本部などによって異なりますが、論文・作文、面接、適性検査、身体検査、体力検査などが組み合わされる場合があります。したがって、警察官は一定の採用過程を通過した人が就く公務員と理解するのが適切です。

なお、受験資格や試験内容は年度や採用主体によって変更される可能性があります。警察官を志望する場合は、必ず受験する都道府県警察などが公表している最新の採用案内を確認する必要があります。

採用試験に合格しただけで仕事が完成するわけではない

警察官として採用された後は、警察学校で職務に必要な教育・訓練を受けます。法律、警察実務、逮捕術、拳銃操法、救急法、体育など、現場で必要となる知識や技能を学んでいきます。

警察官には法律に基づいて職務を遂行することが求められるため、「何となく正しいと思ったから」という感覚だけで行動することはできません。権限を適正に行使するためにも、法令や手続を理解する必要があります。

例えば、街中でトラブルが起きた場合には、単に当事者を叱ればよいわけではありません。状況を確認し、関係者から話を聞き、必要に応じて証拠を確保し、法令や手続に沿って対応する必要があります。現場では冷静な判断と対人能力の両方が要求されます。

警察官の仕事にはどのような能力が求められるのか

警察官というと体力のある人を想像しやすいですが、実際には体力だけで仕事ができるわけではありません。住民からの相談、交通事故への対応、犯罪捜査、被害者への対応など、人と接する場面が非常に多い職業です。

そのため、相手の話を聞く能力や、感情的にならずに状況を整理する能力も重要になります。犯罪や事故、家庭内の問題など、当事者が強い不安や怒りを抱えている場面に対応することもあります。

さらに、警察官自身が公権力を行使する立場にある以上、高い規律意識も求められます。職業としての難しさは、採用試験の倍率だけでなく、採用後にどのような責任を負い、どのような能力を継続的に要求されるかまで含めて考える必要があります。

「試験を受けられる」と「誰でもなれる」は意味が違う

職業について語るとき、「特定の大学を卒業しなければならないわけではない」「一般の人にも採用への道が開かれている」という意味で、間口が広いと表現することはできます。しかし、それと「誰でもなれる」は同じ意味ではありません。

これは警察官以外の仕事でも同様です。ある職業について応募資格を満たす人が多かったとしても、採用選考があり、さらに採用後に専門的な教育や実務能力が必要なら、希望者全員がその仕事に就いて継続できるわけではありません。

反対に、採用倍率が非常に高い仕事だから社会的価値も必ず高い、ということにもなりません。職業の難易度や社会的価値を考える際には、採用倍率、資格、仕事内容、責任、専門性などを別々の尺度として見る必要があります。

警察への批判と警察官という職業の評価は分けて考える

警察は公的機関であり、その活動について市民が批判したり、制度改善を求めたりすること自体は不自然ではありません。警察官による不適切な行為があれば、その行為を検証し批判することも必要です。

一方で、組織や個別の対応に対する批判と、そこで働く人の職業そのものを一括して軽視することは別問題です。「警察官だから立派」「警察官だから信用できない」というように職業名だけで個人を評価すると、実際の人物や行為について適切に判断しにくくなります。

警察に限らず、医療、教育、行政、民間企業など、どの分野にもさまざまな人がいます。職業への評価と個人への評価を切り分け、具体的な行動や実績をもとに考える方が公平でしょう。

職業を採用難易度だけで上下に分けることにも注意が必要

仕事について「誰でもなれる」「エリートしかなれない」といった言葉が使われる背景には、職業を序列化する考え方があります。しかし、採用される難しさだけで仕事の価値を決めることはできません。

例えば、警察官には治安維持という役割がありますが、消防士には消火・救助、医療従事者には治療やケア、物流に携わる人には物資を届ける役割があります。それぞれ必要な能力や責任が異なるため、一つの尺度だけで単純に順位を付けるのは困難です。

職業を評価するのであれば、「誰でもなれるか」という抽象的な表現より、採用条件、必要な能力、仕事内容、責任の大きさ、勤務環境など、確認できる具体的な要素を見る方が有益です。

まとめ

警察官は、単に希望すれば誰でも就ける職業ではありません。一般的な都道府県警察の警察官であれば採用試験などの選考を経る必要があり、採用後も警察学校で教育・訓練を受け、現場では法律知識、判断力、体力、対人能力などが求められます。

ただし、警察官になることが難しいから警察への批判が許されない、ということでもありません。公的機関である以上、その活動を検証し、必要に応じて批判することは、職業への侮蔑とは区別して考える必要があります。

「誰でもなれる」「絶対になれない」といった極端な言葉ではなく、実際の採用制度と仕事内容を確認して判断することが、警察官という職業を理解するうえで重要です。

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