簿記2級の固定資産減価償却計算で累計額を引く場合と引かない場合の違いを解説

簿記

日商簿記2級の第3問で頻出する固定資産の減価償却では、建物の取得原価から減価償却累計額を引いて計算する場合と、取得原価をそのまま使って計算する場合があります。この違いが分からず混乱する受験生は多くいます。

この記事では、減価償却費を計算するときに「減価償却累計額を引くケース」と「引かないケース」の違いについて、仕訳や具体例を使って分かりやすく解説します。

減価償却費の基本は取得原価を耐用年数で割ること

減価償却費とは、建物や機械などの固定資産の取得価額を、その使用期間にわたって費用として配分するものです。

通常、定額法の場合は「取得原価÷耐用年数」で1年間の減価償却費を計算します。例えば、取得価額120万円の建物で耐用年数が10年の場合、年間の減価償却費は12万円になります。

ここで重要なのは、毎年計上する減価償却費は基本的に取得時の金額を基準に計算するという点です。すでに計上した減価償却累計額を毎回差し引いて計算するわけではありません。

減価償却累計額を引かないケースとは

①のように「(1200000−400000)÷耐用年数」と計算する方法は、一見すると現在の価値を計算しているように見えます。しかし、通常の減価償却費を求める問題ではこの計算は行いません。

例えば、120万円の建物を購入し、すでに40万円の減価償却をしている場合でも、翌年度の減価償却費は120万円を基準に計算します。

つまり、120万円÷耐用年数で計算するのが基本です。減価償却累計額40万円は貸借対照表上で資産の価値を減らすために表示されるものであり、翌年の減価償却費を計算するために差し引くものではありません。

減価償却累計額を引くケースが存在する理由

では、なぜ減価償却累計額を引く計算が出てくるのでしょうか。それは、固定資産の帳簿価額や売却時の計算など、別の目的で使われるためです。

例えば、取得価額120万円の建物について減価償却累計額が40万円ある場合、帳簿価額は次のようになります。

取得価額120万円−減価償却累計額40万円=帳簿価額80万円

この80万円という金額は、現在帳簿上で残っている資産価値を表しています。しかし、減価償却費を求める場面では、この帳簿価額ではなく取得原価を使うことが一般的です。

減価償却費と帳簿価額を混同しないことが重要

簿記2級で間違いやすいポイントは、「現在の資産価値」と「当期に計上する費用」を混同してしまうことです。

減価償却累計額を引いた金額は帳簿価額を求めるためのものです。一方、減価償却費は当期の費用として計上する金額なので、取得原価を基準に計算します。

例えば、自動車を120万円で購入し、毎年12万円ずつ減価償却している場合、5年後の帳簿価額は60万円になります。しかし、6年目の減価償却費を計算するときは60万円ではなく、120万円を基準にして計算します。

簿記2級第3問で減価償却を解くときの判断ポイント

第3問の固定資産問題では、まず問題文が何を求めているのかを確認することが大切です。

「当期の減価償却費を求める」と書いてある場合は、基本的に取得原価を使います。一方で、「帳簿価額」「売却時の固定資産の価値」などを求める場合は、取得原価から減価償却累計額を差し引きます。

問題を読むときに「費用を求めているのか」「資産の残りの価値を求めているのか」を判断できるようになると、減価償却の問題で迷うことが少なくなります。

まとめ|減価償却累計額を引くかどうかは目的で決まる

簿記2級の固定資産問題では、減価償却累計額を引く場合と引かない場合がありますが、その違いは計算の目的にあります。

当期の減価償却費を求める場合は取得原価を使い、帳簿価額を求める場合は取得原価から減価償却累計額を差し引きます。

「減価償却費」と「帳簿価額」は似ているため混乱しやすいですが、それぞれの意味を理解すれば第3問でも安定して得点できるようになります。

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