就職活動で求人票を見ると、「所定労働時間7時間、固定残業20時間込み」「所定労働時間7時間30分、みなし残業10時間」といった条件を見かけることがあります。
一般的には1日8時間労働が多い中で、なぜ企業は所定労働時間を短く設定し、別途みなし残業を導入するのでしょうか。この記事では、固定残業代(みなし残業)の仕組みや企業側の理由、応募者が確認すべきポイントについて解説します。
所定労働時間とみなし残業の基本的な仕組み
所定労働時間とは、会社が定めている通常勤務する時間のことです。例えば「9時から17時まで勤務、休憩1時間」であれば、実働7時間になります。
一方、みなし残業(固定残業代)とは、あらかじめ一定時間分の残業代を給与に含めて支払う制度です。
例えば「固定残業20時間込み」という場合、実際の残業時間が0時間でも20時間分の残業代が給与に含まれます。ただし、20時間を超えた残業については追加で残業代を支払う必要があります。
なぜ所定労働時間を8時間にせず短く設定するのか
企業が所定労働時間を7時間や7時間30分に設定する理由はいくつかあります。
代表的な理由として、会社独自の働き方や制度設計があります。例えば、昔からの勤務体系として7時間勤務を採用している企業や、社員のワークライフバランスを重視して所定労働時間を短くしている企業があります。
また、1日の所定労働時間が短い場合でも、業務上必要な時間外労働が発生することがあります。その分を固定残業代として設定しているケースもあります。
企業がみなし残業制度を導入するメリット
企業側にとって固定残業代には、給与計算や人件費管理をしやすくするメリットがあります。
毎月一定額の残業代を給与に含めることで、人件費の予測が立てやすくなり、給与制度を分かりやすく設計できます。
また、社員側にもメリットがあります。実際の残業時間が少ない月でも固定残業分の給与が支払われるため、一定の収入が保証されます。
みなし残業制度のデメリットと注意点
一方で、固定残業代には注意すべき点もあります。
特に確認したいのは、「何時間分の残業代が含まれているのか」「超過分は別途支給されるのか」という点です。
例えば、固定残業20時間込みと書かれていても、実際には毎月40時間以上の残業が発生している場合、固定残業制度が適切に運用されているか確認する必要があります。
また、求人票では基本給が低く見えないように固定残業代を含めた月給表示をしている企業もあります。そのため、応募時には基本給と固定残業代を分けて確認することが重要です。
固定残業代はボーナスや残業代を減らすための制度なのか
固定残業代そのものは、必ずしもボーナスや残業代を減らすための制度ではありません。
ただし、企業によっては給与構成を工夫する目的で利用している場合があります。例えば、基本給を低く設定し、固定残業代を含めて月給を高く見せるような求人も存在します。
賞与については会社ごとの規定によりますが、基本給を基準に計算する企業では、基本給が低いことでボーナス額に影響する可能性があります。
就活生が求人票で確認すべきポイント
固定残業制度がある会社を見る場合、単に「みなし残業あり」という情報だけで判断するのではなく、以下の点を確認することが大切です。
- 固定残業時間は何時間か
- 固定残業代はいくら含まれているか
- 超過分の残業代は支給されるか
- 平均残業時間はどの程度か
- 基本給はいくらか
例えば「月給30万円」と書かれていても、その中に固定残業代10万円が含まれている場合、基本給は20万円という可能性があります。
給与額だけを見るのではなく、内訳を見ることで、その会社の給与制度を正しく理解できます。
所定労働時間が短い会社を見るときの考え方
所定労働時間が7時間だから必ず良い会社、8時間だから悪い会社というわけではありません。
重要なのは、実際の働き方と給与制度が求人内容と一致しているかです。
例えば、7時間勤務で残業も少なく、固定残業代も適正に設定されている会社であれば、働きやすい環境と言えます。一方で、短い所定労働時間を理由に大量の残業を前提としている場合は注意が必要です。
まとめ
所定労働時間が7時間や7時間30分で、みなし残業が設定されている会社は、必ずしも給与を削る目的だけで制度を採用しているわけではありません。
企業独自の勤務制度や給与設計、人件費管理の都合など、さまざまな理由があります。
ただし、就活では固定残業代の有無だけではなく、基本給、残業時間、超過分の支給、賞与計算の仕組みまで確認することが大切です。求人票の数字だけではなく、給与の内訳を見ることで、自分に合った会社か判断しやすくなります。

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