不動産会社で働くことになった宅建士の方の中には、「すでに専任宅建士の人数が足りているなら、自分を追加で登録する必要はないのでは?」と疑問に感じることがあります。宅建業では専任宅建士の設置義務があり、従業員数に対して人数が十分でも、登録や変更手続きが必要になるケースがあります。この記事では、専任宅建士の登録ルールや、営業スタッフとして入社した宅建士がどのように扱われるのかを分かりやすく解説します。
専任宅建士とは何かを簡単に理解する
専任宅建士とは、宅地建物取引業者の事務所ごとに置かなければならない、専任性を持った宅地建物取引士のことです。宅建業法では、事務所の規模に応じて一定数以上の専任宅建士を配置することが義務付けられています。
一般的には、事務所で働く従業者5人につき1人以上の専任宅建士が必要とされています。そのため、不動産会社では宅建資格を持つ社員を専任宅建士として登録していることがあります。
ただし、専任宅建士の人数が法律上の必要人数を超えているからといって、宅建資格を持つ社員全員を自動的に専任宅建士として扱うわけではありません。
宅建士の資格を持って入社した場合は必ず専任登録が必要なのか
宅建士の資格を持っている人が不動産会社へ入社した場合でも、その人が必ず専任宅建士になるわけではありません。営業担当や事務担当として勤務する場合、専任宅建士ではなく一般の宅建士資格保有者として働くことも可能です。
例えば、不動産会社に10人の従業員がおり、そのうち3人が専任宅建士として登録されている場合、新しく宅建士資格を持った営業スタッフが入社しても、会社が専任宅建士として指定しなければ追加登録は不要な場合があります。
重要なのは「宅建資格を持っているか」ではなく、「その会社の専任宅建士として勤務する扱いになるか」という点です。
専任宅建士の変更届が必要になるケース
一方で、新しく入社した宅建士を会社が専任宅建士として配置する場合は、都道府県への変更届などの手続きが必要になります。
具体的には、以下のような場合が該当します。
- 新しい社員を専任宅建士として指定する場合
- 既存の専任宅建士が退職し、新しい人を専任宅建士にする場合
- 事務所ごとの専任宅建士の配置を変更する場合
例えば、専任宅建士が3人いる会社で、そのうち1人が退職した場合、人数が法律上足りなくなる可能性があります。その場合は新たな専任宅建士を選任し、変更手続きを行う必要があります。
都道府県への登録と会社内部の扱いの違い
宅建士には、資格登録をしている都道府県と、勤務先の宅建業者での登録という2つの側面があります。この部分が混同されやすいポイントです。
例えば、東京都で宅建士登録をしている人が大阪府の不動産会社で勤務する場合でも、勤務先の宅建業者が専任宅建士として届け出る場合には、その会社の所在地を管轄する行政庁への手続きが必要になります。
つまり、「宅建士として会社に在籍していること」と「専任宅建士として行政へ届け出されていること」は別の話です。
専任宅建士の人数が多い会社でも確認が必要な理由
専任宅建士がすでに十分な人数いる会社では、「追加しなくても問題ない」と考えがちですが、実際には会社がどのような配置をしているかによって判断が変わります。
例えば、小規模な不動産会社で従業員10人に対して専任宅建士が4人いる場合でも、新入社員を専任宅建士として扱うなら変更手続きが必要です。一方、単なる営業スタッフとして採用するなら必ずしも追加登録する必要はありません。
そのため、入社時には会社側へ「自分は専任宅建士として登録される予定なのか、それとも宅建資格を持った営業社員として勤務するのか」を確認しておくことが大切です。
まとめ|宅建資格者の入社と専任宅建士登録は別々に考える
宅建士資格を持つ社員が不動産会社へ入社しても、必ず専任宅建士の変更手続きが必要になるわけではありません。専任宅建士として会社から選任される場合に、行政への変更届などが必要になります。
一方で、会社が専任宅建士として扱う予定なのに手続きをしていない場合は、宅建業法上の問題になる可能性があります。
判断に迷う場合は、入社時に会社へ専任宅建士として登録されるのかを確認し、必要に応じて都道府県の宅建業担当窓口へ相談すると安心です。


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