日本では、大企業が本業以外の分野へ進出し、通信、金融、不動産、決済サービスなど幅広い事業を展開する例があります。一方で、アメリカ企業でも同じように巨大企業が複数分野へ進出するケースは存在します。ただし、日本企業とは事業展開の考え方や規制環境に違いがあります。この記事では、アメリカ企業の多角化経営の実例や、日本企業との違いについて解説します。
日本企業に多いグループ型の多角化経営とは
日本では、大企業が持株会社や子会社を通じて複数の事業を展開する形が多く見られます。例えば、通信会社が金融サービスや決済サービスを提供したり、自動車メーカーが金融会社を設立してローンやリース事業を行ったりするケースです。
このような展開が広がった理由の一つは、既存の顧客基盤やブランド力を活用できるためです。通信会社であれば携帯電話利用者、自動車メーカーであれば車の購入者という既存顧客に新しいサービスを提供できます。
例えば、スマートフォンを契約している顧客にキャッシュレス決済や金融サービスを提供することで、顧客との接点を増やし、企業全体の収益機会を広げることができます。
アメリカでも巨大企業の多角化は存在する
アメリカでも、大企業が本業以外の分野へ進出する例は珍しくありません。ただし、日本のように巨大企業グループが銀行、不動産、通信などを幅広く子会社化する形とは少し異なる場合があります。
アメリカ企業では、自社の強みである技術やプラットフォームを中心に関連サービスを広げるケースが多くあります。
例えば、Appleは金融機関そのものではありませんが、Apple PayやApple Cardなど決済・金融関連サービスを展開しています。また、Amazonは小売業を中心に、クラウドサービス、物流、広告、金融関連サービスなどへ事業領域を広げています。
アマゾン不動産やアップル銀行のような会社はあるのか
アメリカでは、日本企業のように「アップル銀行」や「アマゾン不動産」といった名前の大規模子会社を作るよりも、自社サービスの一部として金融や不動産関連機能を提供する傾向があります。
例えばAmazonは、企業向け融資サービスであるAmazon Lendingを提供しており、Amazon上で販売する事業者を支援しています。これは銀行を買収して運営するというより、ECプラットフォームを活用した金融サービスという位置づけです。
またAppleも、クレジットカードや決済サービスを展開していますが、銀行業務の多くは金融機関との提携によって提供しています。
アメリカ企業が日本型の子会社経営をあまり行わない理由
日本とアメリカでは、企業文化や規制環境に違いがあります。アメリカでは、本業と関係が薄い事業を抱えるよりも、株主価値を高めるために事業売却や分離を行うことも多くあります。
例えば、ある事業が成長性や利益率の面で本業と合わないと判断された場合、売却して得た資金を成長分野へ投資するという考え方があります。
一方、日本企業では長期的な雇用維持やグループ全体の安定を重視する傾向があり、多くの事業をグループ内に残して育てるケースがあります。
アメリカで見られる代表的な多角化企業
アメリカにも複数分野で事業を展開する巨大企業は存在します。代表例として、Microsoftはソフトウェア企業からクラウド、ゲーム、人工知能関連サービスへ事業を拡大しています。
また、Google(Alphabet)も検索サービスだけでなく、クラウド、スマートフォン関連、動画配信、自動運転技術など幅広い分野へ投資しています。
これらの企業は、日本企業のように金融会社や不動産会社を多数抱える形ではありませんが、テクノロジーを中心に事業領域を広げることで巨大な企業グループを形成しています。
まとめ
アメリカでも、大企業が本業から関連分野へ進出する多角化経営は一般的に行われています。ただし、日本企業のように通信会社が金融、不動産、決済まで幅広く子会社化する形とは少し違いがあります。
アメリカ企業では、自社の技術や顧客基盤を活用してサービスを追加するプラットフォーム型の展開が多く見られます。
つまり、アップル銀行やアマゾン不動産のような名前の会社が大量に存在するわけではありませんが、AppleやAmazonのような企業も実質的には金融、物流、クラウドなど多方面へ進出しており、巨大企業による多角化は世界的な流れといえます。


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