FANUCのロボドリルを使用したファインボーリング加工は、高精度な内径仕上げを行う上で重要な工程です。本記事では、S45C材・φ72H7・深さ52.5mmの止まり穴加工を想定し、初めてファインボーリングバーを使用する場合の基本的な加工条件や考え方について整理して解説します。
ファインボーリング加工の基本的な考え方
ファインボーリングは、仕上げ精度(H7など)を確保するための微調整可能な内径加工方法です。
通常のドリルや中ぐり加工と異なり、最終仕上げ寸法をミクロン単位で追い込むことができます。
そのため、機械剛性・工具の突き出し量・切削条件の安定性が重要になります。
S45C・φ72H7加工における一般的な条件目安
S45Cは中炭素鋼であり、切削性は比較的安定しています。
ファインボーリングバー(超硬ヘッド想定)の場合、回転数はおおよそ500〜1500rpmの範囲で調整されることが多いです。
送り速度は0.02〜0.10mm/rev程度から開始し、仕上げ面とびびりの状況を見ながら調整します。
ロボドリル使用時の注意点
ロボドリルは高速加工には強い一方で、突き出しが長いボーリング加工では剛性不足が問題になることがあります。
特に深さ52.5mmの止まり穴では、工具の振動(びびり)対策が重要になります。
可能であれば、最小突き出し・高剛性ホルダー・低振動条件の設定が推奨されます。
ドゥエル(停止時間)の必要性
止まり穴加工では、底面近くでの切削安定のためドゥエルを入れるケースがあります。
ただし、ファインボーリングでは基本的に回転状態での安定切削が重要なため、過度なドゥエルは痕や焼けの原因になる場合もあります。
実際には工具メーカー推奨値を基準に、最小限の停止時間または無しで仕上げることが多いです。
Gコードの基本的な構成
ロボドリルでは一般的にG85(ボーリングサイクル)やG76系の微調整サイクルが使用されます。
仕上げ加工ではG85+手動補正またはオフセット調整を使いながら寸法追い込みを行うのが一般的です。
また、主軸停止やリトラクトタイミングを安定させることが仕上げ精度に直結します。
まとめ
ファインボーリング加工は、単純な回転数や送り速度だけでなく、機械剛性・工具条件・加工戦略の総合バランスが重要です。
S45C・φ72H7・ロボドリル環境では、低振動・低送りから開始し、実測しながら追い込む方法が最も安全です。
最終的には工具メーカー推奨値を基準に、現場条件に合わせて最適化することが高精度加工の鍵となります。


コメント