簿記2級の学習で避けて通れないのが減価償却と税効果会計の組み合わせです。特に期中や期末に固定資産を売却した場合、会計上の減価償却と税法上の減価償却の差異によって発生した繰延税金資産の処理は混乱しやすいポイントです。今回は、取得原価600万円の機械装置を購入後2年で売却した場合の繰延税金資産の仕訳について解説します。
減価償却費と税効果会計の基本
会計上:定額法、残存価格ゼロ、耐用年数5年で償却
税法上:定額法、残存価格ゼロ、耐用年数6年で償却、税率40%
1年間の会計上減価償却費は120万円、税法上の減価償却費は100万円(600万円 ÷ 6年)です。その差額20万円に税率40%を乗じた8万円が繰延税金資産として計上されます。
売却時の仕訳と差異の消去
購入から2年経過後に機械装置を売却し、固定資産売却損390万円を計上したとします。この時、会計上の減価償却累計額は120万円×2=240万円、税法上の減価償却累計額は100万円×2=200万円です。
会計上と税法上の差異(40万円)の税率40%を考慮すると、繰延税金資産としての残高は16万円となります。しかし、前期にすでに8万円を計上済みであるため、売却時に消去するのは8万円分です。
繰延税金資産消去の仕訳
したがって、差異解消時の仕訳は以下の通りです。
(借)法人税等調整額 80,000 /(貸)繰延税金資産 80,000
理由は、既に計上済みの8万円分を消去するだけで、残りの税効果は差額の解消に応じて認識されるためです。期末売却時にはすべての繰延税金資産が解消されますが、前期までの計上済み金額との差額を調整する形になります。
なぜ①が正しいのか
選択肢①は既に計上済みの繰延税金資産を減額して差異を消去する仕訳であり、売却時に正確な金額で差額を反映しています。選択肢②は前期までの計上分を重複して消去する形になり、過大に処理してしまうため誤りです。
まとめ
簿記2級の減価償却と税効果会計では、会計上と税法上の償却差異に基づき繰延税金資産を計上します。固定資産売却時には、差異が解消されるため繰延税金資産を消去する仕訳が必要です。売却時の繰延税金資産消去は、前期までの計上額との差額に応じて仕訳することが基本となり、今回のケースでは選択肢①が正しい仕訳となります。


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