宅地建物取引業(宅建業)は個人だけでなく法人も営むことができます。しかし、「株式会社は人ではないのに、どうやって宅建業免許を取得するのか?」と疑問に感じる人も少なくありません。
実は、宅建試験に合格することと宅建業免許を取得することは別の制度です。この記事では、法人が宅建業を営む際の免許制度の仕組みについてわかりやすく解説します。
宅建試験と宅建業免許は別の制度
まず理解しておきたいのは、「宅建試験」と「宅建業免許」はまったく別のものだということです。
宅建試験は個人が受験し、合格すると宅地建物取引士になるための資格取得につながります。一方で宅建業免許は、宅地建物取引業を営むために国や都道府県から受ける営業許可のようなものです。
そのため、法人そのものが宅建試験を受験する必要はありません。
法人が宅建業免許を取得する仕組み
株式会社などの法人が宅建業を営む場合は、その法人名義で宅建業免許を申請します。
申請にあたっては、事務所の設置や欠格事由に該当しないことなど、法律で定められた要件を満たす必要があります。
つまり、免許を取得する主体は法人ですが、実際の審査では役員や事務所体制なども確認されます。
専任の宅地建物取引士が必要
法人が宅建業免許を取得するためには、各事務所に一定数の専任宅地建物取引士を配置しなければなりません。
宅地建物取引士は個人資格であり、宅建試験に合格して登録を受けた人がなれます。
例えば株式会社Bが宅建業を始める場合、代表者自身が宅地建物取引士でなくても、要件を満たした専任の宅地建物取引士を雇用すれば免許取得が可能です。
| 項目 | 対象 |
|---|---|
| 宅建試験 | 個人が受験 |
| 宅地建物取引士 | 個人資格 |
| 宅建業免許 | 個人または法人が取得 |
法人と個人の免許は別扱い
宅建業者Aが新たに株式会社Bを設立した場合、Aがすでに宅建業免許を持っていても、その免許をBが使うことはできません。
法人は法律上、個人とは別の権利義務主体として扱われるため、新会社であるBは独自に宅建業免許を取得する必要があります。
これは支店の開設ではなく、新たな法人を設立した場合に特に重要なポイントです。
なぜ法人にも免許制度があるのか
不動産取引は高額な契約が多く、消費者保護の観点から厳格なルールが設けられています。
そのため、法人であっても適切な事業体制や責任者がいるかどうかを行政が確認したうえで営業を認めています。
宅建業免許は「試験に合格した証明」ではなく、「宅建業を適正に営むための許可制度」と考えると理解しやすくなります。
まとめ
株式会社などの法人は宅建試験を受験するわけではありませんが、法人名義で宅建業免許を取得できます。
宅建試験は個人が受験する資格制度であり、宅建業免許は法人や個人事業主が宅建業を営むための行政上の許可です。
法人が免許を取得する際には、専任の宅地建物取引士の配置などの要件を満たす必要があり、その条件をクリアすることで宅建業を適法に営むことができます。


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