転職直後に体調を崩し、精神疾患による休職に入るケースは珍しくありません。しかし、試用期間中という立場も重なり、「このまま解雇されるのではないか」と強い不安を抱える人も多いです。
特に、就業規則に明確な記載がない場合、「会社は自由に辞めさせられるのでは?」と感じてしまうこともあるでしょう。
ですが、試用期間中だからといって、会社が無条件に解雇できるわけではありません。
この記事では、試用期間中の休職と解雇の関係、企業側の判断基準、実際によくあるケースについて整理して解説します。
試用期間中でも自由に解雇できるわけではない
まず重要なのは、試用期間中であっても、法律上は労働契約が成立しているという点です。
そのため、企業側が従業員を解雇するには、通常と同じく「客観的に合理的な理由」と「社会通念上の相当性」が求められます。
「試用期間だから簡単に切れる」というイメージを持たれがちですが、実際には一定の制限があります。
ただし、試用期間は「適性を見る期間」とされているため、本採用後よりは会社側の裁量が広く認められる傾向があります。
精神疾患による休職だけで即解雇になるのか
精神疾患で休職したこと自体が、直ちに解雇理由になるわけではありません。
しかし企業側は、
- 今後勤務継続が可能か
- 業務遂行能力が見込めるか
- 復職時期の見通しがあるか
- 配慮しても勤務が難しいか
などを総合的に判断します。
例えば、短期間で回復見込みがあり、主治医も復職可能と判断しているケースでは、即座に解雇が有効になるとは限りません。
一方で、入社直後から長期間まったく就労できない状態が続く場合、企業側が「本採用困難」と判断するケースは現実的に存在します。
「試用期間満了で本採用しない」という形はあり得る
実務上よくあるのは、「解雇」という言葉ではなく、試用期間満了時に本採用を見送る形です。
企業によっては、
- 勤務実績不足
- 適格性判断不能
- 就労継続困難
などを理由として、本採用拒否を行うことがあります。
特に転職直後の場合、まだ勤務実績が少ないため、「今後の適性判断が難しい」とされやすい傾向があります。
ただし、この場合でも会社側には一定の合理性が求められ、何でも自由に認められるわけではありません。
就業規則に記載がない場合はどうなる?
就業規則に今回のようなケースの詳細記載がない企業も少なくありません。
ただ、記載がないから即違法・即有効という単純な話でもありません。
実際には、
- 試用期間規定
- 休職規定
- 本採用基準
- 解雇事由
などを総合的に見て判断されます。
例えば、「在籍1年未満は休職半年まで」という規定がある場合でも、それは“休職を認める上限”であり、“半年以内なら絶対解雇できない”という意味ではないこともあります。
逆に、会社が十分な配慮や面談をせず、一方的に打ち切った場合はトラブルになる可能性もあります。
企業側も慎重になりやすい時代
最近はメンタル不調への理解が以前より進み、企業側も慎重に対応するケースが増えています。
特に、
- 診断書がある
- 通院継続している
- 本人に復職意思がある
- 会社へ状況報告している
といった場合、すぐに強硬対応を取らない会社も多いです。
また、会社としても安易な解雇は労務トラブル化するリスクがあります。
そのため、「試用期間終了=即解雇」と決めつける必要はありません。
本人が今できる現実的な対応
このような状況では、不安から「もう終わった」と考えてしまう人もいます。
しかし実際には、会社とのコミュニケーション次第で状況が変わるケースもあります。
| 対応 | 目的 |
|---|---|
| 診断書提出 | 状況共有 |
| 定期連絡 | 就労意思を示す |
| 復職見込み確認 | 会社判断材料になる |
| 主治医相談 | 無理な復帰防止 |
特に重要なのは、「無理して早く戻ること」ではなく、「回復見込みを整理して伝えること」です。
精神疾患は、焦って復帰して再悪化するケースも少なくありません。
まとめ
試用期間中に精神疾患で休職した場合でも、会社が自由に解雇できるわけではありません。
ただし、試用期間は適性判断期間でもあるため、長期間勤務できない場合に本採用を見送られる可能性は現実的に存在します。
一方で、診断書提出や会社との継続的な連絡、復職見込みの共有などによって、状況が変わるケースもあります。
大切なのは、「試用期間だから終わり」と決めつけず、まずは体調回復と冷静な情報整理を優先することです。
精神的に追い込まれている時ほど、最悪の結論だけを先に想像してしまいやすいため、一人で抱え込みすぎないことも重要と言えるでしょう。


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