日商簿記1級の工業簿記・原価計算では、総額法を用いた差額原価収益分析が重要なテーマです。本記事では、月間生産量、販売価格、変動費・固定費などの条件をもとに、総額法による計算手順と実例を解説します。
総額法の基本概念
総額法では、追加注文の収益性を判断するために、変動費と固定費を合計した総原価を計算します。
差額原価収益分析では、追加注文による収益の増加額と総原価の増加額を比較し、利益への影響を評価します。
基本条件の整理
例として、月間生産1,200個、販売価格400円、変動製造原価180円、固定製造原価120円(1個あたり)、変動販売費30円、固定販管費50,000円とします。
新規注文は500個、注文価格280円、変動販売費なし、ただし引き受ける場合販売価格は380円に調整、最大生産能力2,000個です。
総額法による計算手順
1. 追加生産にかかる総原価を計算します。変動費は180円×500個=90,000円、固定費は既存の生産に含まれるため追加固定費は0円と考えます。
2. 追加収益を計算します。販売価格380円×500個=190,000円です。
3. 差額利益(追加収益-追加総原価)を算出します。190,000円-90,000円=100,000円が追加利益となります。
総額法のポイントと注意点
総額法では、既存の固定費は考慮せず、追加注文に直接関連する費用だけを計算する点が重要です。
販売価格を引き上げる場合や変動販売費が発生しない場合も、差額利益の計算に反映させることで正確な意思決定が可能です。
具体例のまとめ
上記の例では、500個の追加注文を総額法で分析すると、追加利益は100,000円となり、受注の判断に有効な指標となります。
このように総額法を用いることで、原価と収益の増減を正確に評価し、経営判断や利益分析に役立てることができます。


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