30代でASDの特性を抱え、無職期間が長く続くと、「もう雇ってもらえる場所はないのではないか」と感じてしまうことは珍しくありません。しかし実際には、正社員就職だけをゴールに設定しなければ、収入を得て生活を立て直す道は複数存在します。本記事では、就職がうまくいかない状況を整理し、現実的な選択肢を段階的に考えていきます。
ASDと就職活動が噛み合わなくなりやすい理由
ASDの特性として、面接での雑談や自己PRが苦手、曖昧な指示への対応が難しい、環境変化に強いストレスを感じやすいといった点があります。これらは能力不足ではなく、評価方法とのミスマッチによって不利に働きやすい要素です。
特に一般的な就職活動では「コミュニケーション能力」や「柔軟性」が重視されがちで、作業の正確さや集中力といった強みが正しく評価されにくい現実があります。その結果、何度も不採用が続き、自信を失ってしまうケースも少なくありません。
3年無職という経歴が与える影響を正しく捉える
無職期間が長いと、それ自体が致命的だと感じてしまいがちですが、企業側が見ているのは「空白期間」そのものよりも、その理由と今後の安定性です。体調や特性への理解が進み、働き方を見直していることを説明できれば、必ずしも即座に不利になるわけではありません。
また、年齢やブランクを理由に通常雇用が難しい場合でも、制度や働き方を変えることで選択肢が広がることもあります。視点を少し変えるだけで、現実は大きく変わる可能性があります。
正社員以外にも収入を得る現実的な方法
収入を得る方法は、正社員就職だけではありません。例えば、在宅で完結する業務委託や、作業内容が明確な仕事はASDの特性と相性が良い場合があります。データ入力、チェック作業、記録整理などは、対人関係の負荷が比較的少ない傾向があります。
また、短時間のアルバイトや単発業務から始め、生活リズムを整えることも一つの方法です。「フルタイムで働けない=終わり」ではなく、「今できる形で少しずつ収入を作る」という発想が重要になります。
支援制度や専門サービスを使うという選択
ASDの診断や特性がある場合、就労移行支援や就労継続支援といった制度を利用することで、いきなり就職するのではなく、働く準備を段階的に進めることができます。これらは甘えではなく、環境調整の一つです。
実際に、支援事業所を通じて職場実習を重ね、自分に合った働き方を見つけた結果、安定した収入を得られるようになった例も多くあります。一般求人だけを見て絶望する必要はありません。
「人並み」の基準を見直すことも回復の一歩
「人並みに収入を得て暮らす」という言葉は、とても重く感じられますが、その基準は人によって異なります。フルタイム正社員でなければ価値がない、という考え方自体が自分を追い詰めている場合もあります。
自分の特性や体調に合った形で生活を維持できるなら、それは十分に「働いている」と言える状態です。他人の基準ではなく、自分が続けられる形を基準にすることが、長期的には安定につながります。
まとめ:終わっているかどうかは働き方の前提で決まらない
30代ASD、長期無職という状況でも、人生や選択肢が終わっているわけではありません。問題は能力ではなく、環境と方法のミスマッチであることが多いのが現実です。
就職できない=価値がない、という構図から一度離れ、自分に合う働き方や支援を使いながら収入を作る道を探すことで、生活は少しずつ立て直せます。視野を広げることが、次の一歩につながります。


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