仕事を休むといっても「労災による休業」と「普通の休職」はまったく同じではありません。どちらも働けない状態という点では共通していますが、制度の根拠や給付の仕組み、会社の対応などに大きな違いがあります。本記事では両者の違いを整理し、わかりやすく解説します。
労災による休業とは
労災による休業とは、業務中や通勤中のケガ・病気が原因で働けなくなった場合に適用される制度です。これは労働者災害補償保険法に基づく公的制度です。
働けない期間については、休業補償給付(原則として給付基礎日額の約80%相当)が支給されます。
会社が独自に給与を支払うのではなく、国の労災保険から給付が出る点が大きな特徴です。
普通の休職とは
普通の休職は、私傷病(業務外の病気やケガ)などを理由に会社の就業規則に基づいて一定期間休む制度です。
こちらは公的な「労災制度」ではなく、会社ごとの就業規則により運用されます。
給与が支払われないケースが多く、その代わりに健康保険の傷病手当金(標準報酬日額の約3分の2)を受け取るのが一般的です。
制度上の主な違いを比較
| 項目 | 労災による休業 | 普通の休職 |
|---|---|---|
| 原因 | 業務・通勤による災害 | 業務外の病気やケガ |
| 根拠制度 | 労災保険法 | 会社の就業規則 |
| 主な給付 | 休業補償給付 | 傷病手当金 |
| 解雇制限 | 療養中+30日間は原則解雇不可 | 休職期間満了で退職扱いになる場合あり |
特に解雇制限の有無は大きな違いです。労災の場合は法律上の保護が強くなります。
会社の対応の違い
労災の場合、会社は事故報告や書類作成などの対応が必要になります。安全配慮義務の観点からも慎重な対応が求められます。
一方、普通の休職は社内規程に基づいて処理されるため、会社ごとに期間や復職条件が異なります。
労災の方が法的保護は手厚いと理解しておくとよいでしょう。
具体例で考える
例えば、仕事中に機械でケガをした場合は労災による休業です。
しかし、自宅で転倒して骨折した場合は普通の休職扱いになります。
原因が「業務に起因するかどうか」が判断基準になります。
まとめ:制度も保障内容も別物
労災による休業と普通の休職は、似ているようで制度の根拠も給付内容も大きく異なります。
業務・通勤が原因であれば労災、私傷病であれば休職という整理になります。
判断に迷う場合は、会社の人事担当や労働基準監督署に確認することをおすすめします。


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