大型船のスクリューや船底にびっしり付いたフジツボを、ヘラや専用工具で剥がしていく動画は、見ているだけで爽快感があります。この作業を行っているのは「潜水士」や「港湾ダイバー」と呼ばれる専門職です。本記事では、船底清掃を行うダイバーの仕事内容、気になる給料水準、そして作業後の確認工程まで、実務の流れに沿って詳しく解説します。
船底清掃ダイバーとは?どんな仕事をしているのか
大型船のスクリューや船底には、フジツボや海藻などの海洋生物が付着します。これを放置すると燃費が悪化し、スピードも低下します。そのため、定期的な水中清掃が必要になります。
この作業を担うのが「潜水士」です。日本では労働安全衛生法に基づく潜水士免許が必要で、国家資格の一つです。港湾施設や造船所、海運会社と契約して作業を行います。
作業は水深数メートルから十数メートルで行われることが多く、専用のスクレーパーや高圧洗浄機を使用して付着物を除去します。視界が悪い環境での作業も多く、経験と技術が求められます。
気になる給料・年収相場はどれくらい?
船底清掃を含む港湾潜水士の給与は、勤務形態や会社規模によって差がありますが、一般的には年収400万円〜700万円程度が一つの目安です。
若手の場合は年収300万円台からスタートすることもありますが、経験を積み、危険度の高い作業や特殊工事を担当できるようになると年収800万円以上になるケースもあります。
日当制の場合、1日あたり2万円〜4万円程度が相場とされることもあり、天候や海況によって作業日数が変動する点も特徴です。危険手当や潜水手当が支給されることもあります。
作業後の確認工程はあるのか?品質管理の実際
動画ではひたすら剥がしている場面が目立ちますが、実際の現場では確認作業は必須です。
作業後はダイバー自身が目視で最終チェックを行い、必要に応じて再度清掃します。また、水中カメラで撮影し、船主や管理会社に報告書を提出するケースもあります。
特にスクリュー部分は推進効率に直結するため、取り残しがないか慎重に確認されます。場合によっては別のダイバーがダブルチェックを行うこともあります。
仕事のやりがいと大変さ
船底清掃は体力を使う仕事であり、水温や潮流、視界の悪さなど自然条件の影響を大きく受けます。冬場の作業は特に過酷です。
一方で、清掃後に船の燃費が改善されたり、航行性能が回復したりすることで、海運業界を支えている実感を得られます。目に見えて成果が分かる点も魅力です。
また、専門資格を持つ技術職であるため、経験を積めば安定した需要があります。港湾工事や橋脚点検など、仕事の幅を広げることも可能です。
潜水士になるには?必要な資格とキャリアパス
日本で業務として潜水を行うには、厚生労働省管轄の潜水士免許が必要です。学科試験に合格し、実務経験や講習を経て取得します。
その後、港湾工事会社や海洋土木会社に就職し、先輩ダイバーのもとで実務経験を積みます。最初は補助作業から始まり、徐々に単独作業を任されるようになります。
経験年数が増えると、現場責任者や安全管理者としての役割も担うようになり、収入アップにもつながります。
まとめ:専門性の高い水中作業のプロフェッショナル
大型船のスクリュー清掃を行うダイバーは、専門資格と高度な技術を持つ水中作業のプロです。年収は400万円〜700万円程度が一般的ですが、経験や担当業務によって大きく変わります。
動画では爽快に見える作業の裏側には、厳格な安全管理と確認工程があります。取り残しチェックや報告書提出など、品質管理も重要な仕事の一部です。
海運業界を陰で支える潜水士という職業は、危険と隣り合わせでありながらも、社会インフラを支える重要な役割を果たしています。


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