単純総合原価計算における仕損と完成品単位原価の計算方法

簿記における単純総合原価計算の際、仕損が発生した場合、完成品単位原価を求める時に仕損を含めた個数で割らない理由について解説します。なぜ仕損を含めるべきでないのか、そして正確な計算方法を理解することが大切です。

1. 仕損が発生した場合の原価計算の基本

単純総合原価計算では、生産活動中に仕損が発生することがあります。仕損とは、製品が完成する前に不良品や欠陥品となった製品のことを指します。これらの仕損品にかかる費用も、原価に含めて計算する必要がありますが、完成品単位原価を求める際には仕損品を除外する方法を取ります。

その理由としては、完成品単位原価は「実際に販売される製品」にかかるコストを求めるため、仕損が発生した分を含めると正確なコスト計算にならないためです。つまり、仕損を含めると実際の生産効率を反映しないことになります。

2. 完成品単位原価の計算方法

完成品単位原価は、実際に販売される製品のコストを求めるため、仕損を含めた個数で割るのではなく、実際に完成した製品の個数で割ります。具体的には、総費用（原材料費、労務費、経費など）を完成品の数で割ることで、1つあたりの製造コストを求めます。

例えば、100個の製品を製造し、30個が仕損となった場合、70個の完成品だけが販売可能です。この場合、総費用を70個で割って完成品単位原価を算出します。これにより、仕損の影響を受けずに、実際の製品にかかるコストが明確に計算されます。

3. 仕損を含めない理由と実務的な背景

仕損品を完成品単位原価に含めない理由は、仕損が製造過程で不良品や欠陥品が発生したことによるコストであり、最終的に販売される製品には影響しないからです。仕損を含めると、不良品のコストが製品の単位原価に反映され、実際の製品の価値を正確に計算することができなくなります。

また、仕損が発生した場合にはその原因を分析し、改善することが求められます。仕損が発生しないように生産工程を見直すことで、将来的なコスト削減に繋がります。したがって、完成品単位原価に仕損を含めないことは、コスト管理を効率的に行うためにも重要な手段です。

4. まとめ

単純総合原価計算において、完成品単位原価を求める際に仕損を含めた個数で割らない理由は、実際に販売される製品のコストを正確に算出するためです。仕損が発生した場合、その分を除外して実際に完成した製品の数で割ることで、実際の製造コストを反映させることができます。これにより、正確な単位原価を計算し、効率的なコスト管理が可能となります。