日商簿記2級で扱う貸倒引当金の設定に関する問題は、税効果会計を理解するうえで重要なポイントです。特に、「なぜ一度金額をゼロに戻してから再設定するのか」といった疑問について、税効果会計の観点から解説します。
1. 貸倒引当金の前期設定と税効果会計
貸倒引当金を設定する際、前期の引当金残高に関連して税効果会計が関わります。具体的には、貸倒引当金の設定額の変動により、繰延税金資産が発生する場合があります。
税効果会計の処理は、税法上の計算と会計基準に基づく計算に差異が生じる場合、調整を行うためです。これを「一時差異解消」と呼びます。設定額が増加する場合、税法上と会計上の引当金額の差異が生じ、これを解消するために処理が必要です。
2. 洗替法と差額補充法の違いとその適用
税効果会計では、貸倒引当金に関して洗替法や差額補充法を使って調整します。問題に挙げられているように、「前期設定額をゼロに戻して再設定する」理由は、この調整処理の一環です。
差額補充法では、会計上の引当金と税法上の引当金の差額を埋めるために、調整額を設定します。この調整処理は、税効果会計の基本的なプロセスの一部として行われます。
3. 問題の仕訳の処理方法と理解
この問題で示されたように、引当金の設定額が変更される際、繰延税金資産や負債が影響を受けます。特に、税法上の損金算入限度額を超える引当金が設定された場合、税効果会計による調整が必要です。
たとえば、税法上35,000円までが損金として認められ、その超過分が課税対象となる場合、税法上認められない部分を繰り延べる必要があります。この場合、前期の繰延税金資産を調整し、新たに繰り延べる必要があるため、差額を解消する仕訳が求められます。
4. 結論:なぜ3750円をゼロに戻し、再設定するのか
一度前期の繰延税金資産をゼロに戻すのは、税効果会計での調整を円滑に行うためです。これにより、正確な税額の計算と一時差異の解消が可能になります。税法上と会計基準で異なる処理を行っているため、調整が必要であり、この方法を取ることで正しい税務処理を実現します。
他の問題で差額を計上する処理を見た場合でも、税効果会計では状況に応じた適切な調整が求められます。したがって、この「ゼロに戻す」という処理は、税効果会計を正確に理解するための基本的な手順の一つです。
まとめ
日商簿記2級で扱う貸倒引当金の設定は、税効果会計をしっかり理解することが重要です。前期設定額をゼロに戻して再設定する理由は、一時差異を解消するための調整処理です。これを理解することで、税効果会計の仕組みをより深く理解でき、簿記の試験においても正確な処理ができるようになります。


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