特許権と実用新案権の違いについてわかりやすく解説

企業法務、知的財産

特許権と実用新案権は、どちらも知的財産権の一種であり、発明や考案を保護するための制度ですが、その内容や取得方法には違いがあります。今回は、特許権と実用新案権の違いをわかりやすく解説します。

特許権とは?

特許権は、新しい発明を保護するための権利です。発明とは、技術的な解決手段を新規に考案し、それが産業上利用可能なものであることが求められます。特許権を取得するためには、発明が「新規性」「進歩性」「産業上の利用可能性」を満たしている必要があります。

特許権を取得すると、一定期間(通常は20年)、その発明を独占的に利用する権利が与えられます。この権利により、他者が無断でその発明を使用したり製造したりすることを防ぐことができます。

実用新案権とは?

実用新案権は、特許権に比べて技術的な要件が緩やかな制度であり、発明ではなく「考案」を保護します。考案とは、既存の技術に改良を加えたアイデアや形態を指しますが、特許ほどの高度な発明でなくても取得が可能です。

実用新案権は、特許権よりも簡単に取得できるため、比較的短期間で権利を得ることができます。ただし、保護される範囲は狭く、権利の期間は10年と特許権よりも短くなります。

特許権と実用新案権の主な違い

特許権と実用新案権には、いくつかの重要な違いがあります。

  • 対象となる発明・考案: 特許権は技術的な発明に対して与えられますが、実用新案権は比較的簡単な改良やアイデアに対して与えられます。
  • 審査の厳しさ: 特許権は審査が厳しく、新規性や進歩性が求められますが、実用新案権は審査が緩やかで、登録が比較的簡単です。
  • 保護期間: 特許権は最大20年の保護期間が与えられますが、実用新案権は最大10年と短い期間です。

どちらを選ぶべきか?

特許権と実用新案権をどちらにするかは、保護したいアイデアの内容や用途によります。高度な技術を発明した場合は特許権を選択するべきです。特許権は、より広い範囲で保護を受けることができるため、高度な技術を守るためには最適な選択です。

一方で、比較的小さな改良や形態変更を行った場合には、実用新案権を選択するのが適しています。取得が簡単で、比較的早く権利を得ることができるため、迅速に市場での競争優位性を確保したい場合に有効です。

まとめ

特許権と実用新案権は、どちらも技術や考案を保護するための重要な知的財産権ですが、目的や内容によって選択が異なります。高度な技術的な発明には特許権、比較的簡単な改良や考案には実用新案権が適していると言えるでしょう。それぞれの権利の特徴を理解し、目的に合った選択をすることが重要です。

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