連結会計における非支配株主持分の処理と親会社の資産負債の取扱いについて解説

会計、経理、財務

連結会計において、親会社と子会社の財務諸表を統合する際に、非支配株主の持分が存在する場合の処理については、しばしば混乱を招きます。本記事では、非支配株主の持分に関連する当期純利益の振替処理と、親会社の資産負債についての取扱いを具体的に解説します。

非支配株主にかかる当期純利益の振替処理

連結財務諸表を作成する際、子会社に非支配株主がいる場合、その当期純利益のうち非支配株主に帰属する部分を「非支配株主持分」として振り替える必要があります。この処理により、親会社の持分部分が「親会社に帰属する当期純利益」として明確に分けられます。

具体的には、子会社の当期純利益が1000万円だった場合、非支配株主に帰属する部分(例えば、20%)を振り替え、残りの80%を親会社に帰属する当期純利益として計上する形になります。

親会社の資産負債と非支配株主持分の関係

連結財務諸表において、資産と負債の取り扱いは、非支配株主の持分に関わらず、親会社が100%子会社を支配していると見なして統一的に処理します。つまり、子会社の資産と負債は、親会社に完全に帰属する形となり、非支配株主持分は「持分比率」や「純資産」に関連する部分だけに反映されます。

したがって、資産負債については、非支配株主持分の振替処理は行わず、親会社の100%支配という前提で、子会社の全ての資産・負債を親会社のものとして計上します。

非支配株主持分の計上方法と影響

非支配株主持分は、親会社の財務諸表における「純資産」の一部として計上されます。これは、親会社が子会社を支配しているものの、非支配株主が持つ持分(通常は少数株主の権利)に相当する部分です。

非支配株主持分は、連結貸借対照表の純資産の部に表示され、その額は子会社の純資産における非支配株主の持分割合によって計算されます。この持分は、子会社の資産や負債に基づく純資産の比率に対応しています。

資産負債についての整理:親会社に帰属する資産と負債

連結財務諸表では、子会社の資産・負債は親会社に帰属するものとして全額計上されます。これは親会社が子会社を100%支配しているためで、資産負債の取り扱いにおいては非支配株主の存在にかかわらず、親会社に帰属する形になります。

一方で、非支配株主の持分は、親会社の純資産の一部として計上され、連結財務諸表における株主資本に反映されますが、資産や負債の額には影響しません。

まとめ:非支配株主を含む連結会計における処理の基本

連結会計では、非支配株主が存在する場合、当期純利益の振替処理を行い、親会社に帰属する利益を明確に分けます。しかし、資産と負債の取り扱いについては、非支配株主持分の影響を受けず、子会社の全ての資産負債は親会社に帰属する形で計上されます。

このように、親会社が子会社を支配しているという前提で、資産・負債に関する処理を行い、非支配株主に関する持分は純資産として処理することが、連結財務諸表の基本的な取り決めとなります。

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